カヒミ・カリィ🍛 [872146238]

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コロナに苦しむ沖縄レンタカー倒産、国際通りガラガラ

沖縄の風景ががらりと変わった。中国などの観光客が多かっただけに、新型コロナウイルスの影響がとりわけ大きいからだ。倒産に追い込まれる会社も出て、地元からは悲鳴が上がる。
飲食店や土産物店が軒を連ねる那覇市の国際通り。ふだんは外国人や修学旅行生らでにぎわう。いま、通りには制服姿の団体客もキャリーケースを引く海外の観光客もほぼいない。
「9・11のテロ事件や、リーマン・ショックでも経験したことのない落ち込みようだよ」。市の中心部にある「第一牧志公設市場」で沖縄料理店を営む上原佐和美さん（65）は話す。
両親が1955年に立ち上げた店を20年ほど前に継いだ。昨年7月に市場建て替えのため仮設店舗に移って、少し客が減ったが、海外からの観光客を中心にようやく客足が戻ってきた中での「コロナショック」に
「いつかは終わると信じて笑顔で呼び込みを頑張るしかない」。取材中、店を訪れたのは日本人の客2組だけだった。
沖縄県の観光客数は6年連続で過去最高を更新し、2018年度は1千万人を突破するなど「絶好調」だった。このうち海外の観光客は300万人を超え、観光収入は7340億円に上った。海外のうち、中国と韓国が4割を占めていた。
県が25日に発表した2月の外国人観光客は6万1千人で前年同月比75%減。中国客は99%減、韓国客は90%減と大幅に落ち込んだ。
「観光客の減少があまりに大きい。本当にショック」。那覇市と宮古島市でレンタカー会社を運営する「ニューステップ」（那覇市）の新垣弘行社長は23日、民事再生法の適用を那覇地裁に申請した後、記者会見し、こう話した。
利用客の激減で資金繰りが悪化し、4億円近い負債を抱えた。帝国データバンクによると、新型コロナウイルスの影響による九州・沖縄地区での倒産は初。
月に2千万～3千万円を売り上げ、そのうち約2割が台湾の利用客だった。だが2月に入り台湾からの観光客が激減。3月はゼロに。パートを含めた社員27人の雇用は今後も続け、再建の道を探る。
新垣社長は会見中、眉間にしわを寄せ、厳しい表情を崩さなかった。「（昨年の）日韓関係の悪化とダブルパンチだ」ともつぶやいた。
代理人の与世田兼稔弁護士は「インバウンドの観光客が減り、沖縄経済は急速に悪化している印象だ」と話した。
観光客を運ぶバス事業も苦境にあえいでいる。バス会社「カリー観光」（豊見城（とみぐすく）市）は、海外からのクルーズ船の入港がなくなり、観光バス30台の稼働率は1割ほどに落ちた。路線バス事業で何とか踏みとどまっているのが現状だ。
30人いる従業員のうち、10人前後は自宅待機状態。休業などで従業員の雇用を維持した企業に給付する「雇用調整助成金」の申請を準備している。鹿川幸正社長は「コロナが終息するか、事業が行き詰まるかのどちらかだ。先が見えず、不安しかない」と話した。
10日、県内12の経済団体でつくる県経済団体会議は緊急会合を開催。那覇市や恩納村のホテルの稼働率が2割近くまで下がっていることや、海外の旅行客が好む伊勢エビなど高級食材の価格が半値ほどに落ち込んでいることが報告された。
会合後、議長の石嶺伝一郎・県商工会議所連合会長は、記者団に「皆さんから悲鳴に近い声が聞こえてくる状況だ」と話した。融資の受付額は9日時点ですでに、81億6千万円（394件）に上っている。
経済への影響を抑え込もうと、玉城デニー知事は13日、県主催のイベントの自粛解除に加え、100億円規模の補正予算を組む方針を表明した。玉城知事は「座視しているわけにはいかない緊急的な状況にある」と危機感を強める。