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https://digital.asahi.com/articles/ASN3V7DZDN3CPTIL02Z.html

大阪）シンママとLGBTQ　子育て支えて頼り合って

子育てにサポートがほしいシングルマザー（シンママ）を、子育てに関わりたいLGBTQ（性的少数者）が手助け――。そんな試みが関西で始まった。交流会をきっかけに信頼関係を築き、頼み頼まれるつながりをめざす。

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　「子どもを育てたいLGBTQの存在が、社会で見えるようになってきた」。大阪市淀川区に住む介護職の塩安九十九さん（39）はそう感じている。塩安さんは生まれたときは女性。今は自らの性別にも愛する人の性別にもこだわらない。

　周りには、精子提供で子をもつ女性カップル、かつての異性パートナーとの間にもうけた子を育てたり里親制度を使ったりする同性カップルたちが出てきた。

　だが、こうした方法は「まだまだ壁が高い」と塩安さんはみる。「もっと気軽に子どもとつながれないか」。そこで堺市の大森順子さん（62）に相談した。

　大森さんは30年余り前からシンママの支援を続け、自らも当事者。仕事と娘の暁（あき）さん（35）の子育てに追われるなか、手を貸してくれたのが近所に住む同性愛の男性たちだった。

　離婚は1988年、暁さんが3歳のころ。世界で「エイズ危機」と言われ、死者が相次いだ同性愛の男性たちが偏見にさらされた時代だ。大森さんは女性運動の経験を買われ、差別を助長すると危惧された「エイズ予防法」の反対運動に参加。そこで同性愛の男性たちと友だちになった。

　大森さんが子育てで助けを求めると、男性5人が日替わりで手伝ってくれた。保育園へ暁さんを迎えに行き、夕食をつくってくれた。「子どもと関わりたい彼らと、助けてほしい私の思いがマッチした。彼らのおかげで乗り切れた」

　塩安さんと大森さんは昨年12月、大阪市内でシンママと子ども、LGBTQを集めてクリスマス会を開いた。母子6組を含む約30人が集まった。「勉強を見てほしい」「乗り物見学に連れていって」。シンママから早速お願いされるLGBTQもいた。塩安さんは「お互いのことを知って良い関係を築いてほしい」と話す。

　29日には大阪市中央区のドーンセンターで、LGBTQとシンママがお互いの課題を学ぶ研修会を開く。午前10時半~午後4時半。参加無料。申し込みはメール（g20.lgbtq.subcommittee@gmail.com）で。（花房吾早子）

「家族も人生も　色々な形知って」大森暁さん（35）
　母の友だちの男性カップルが保育園の発表会に来てくれたのを覚えています。劇を演じた私をビデオで撮影してくれた。髪の毛を三つ編みにしてスカートをはいた男性が迎えに来てくれたことも。「こんな人たちと友だちの私ってかっこいい」と思っていました。

　「どうやら社会の『ふつう』は男女のカップルで、何でも男女で分けたがる」。そう知ったのは小学校入学後。「なんでそうならなあかんの？」という疑問に、母は「そうじゃなくてもいい」と教えてくれました。

　母子家庭の私を「かわいそう」と思う大人もいた。でも家族の形は色々。そう当たり前に感じるように育てられた私はラッキーです。

　私はパートナーの男性（40）、男の子（9）と女の子（3）と暮らしています。婚姻届を出さずに出産しました。なぜ両親の名字が違うのか。子どもたちには「私は私の人生を大切にしたいから」と説明しようと思っています。

　今パーソナルトレーナーとして、女性の体で生まれて今は男性として生きる人たちの筋力トレーニングを指導しています。我が子には、私の姿や自分たちの家族を通して、様々な人生の形があることを知ってほしいです。

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