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https://digital.asahi.com/articles/ASN433HPLN43OIPE006.html

トヨタ、新型コロナで需要急減　「お膝元」でも生産調整

トヨタ自動車は3日から、愛知県や福岡県などの国内5工場で生産調整を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大で海外需要が急減しているためで、影響は国内生産にも波及した。期間は最長で15日まで。海外市場の動向次第では生産調整も長引く恐れがある。

　愛知県内の高岡、堤、田原のほか、子会社トヨタ自動車九州の宮田工場（福岡県）、日野自動車の羽村工場（東京都）の計5工場7ラインで生産がストップ。期間は高級車ブランド・レクサスをつくる宮田工場が最長の15日までで、合計で3万6千台の減産になる。

　トヨタの「おひざもと」でハイブリッド車プリウスなどをつくる堤工場では7日まで全2ラインが停止する。この日午前8時ごろ、工場に出勤する従業員も見られたが、人や車の出入りは普段より少なかった。

　トヨタは中国の工場は通常操業に戻ったが、他の世界各地の工場は相次ぎ停止している。国内生産の約6割は海外に輸出しており、主力市場の米国など輸出先での収束が見通せないため、国内の生産活動の先行きも不透明だ。

　トヨタを含め、大手自動車8社が国内生産を一時ストップすることを余儀なくされている。

　スバルは群馬県太田市にある国内工場の稼働を5月1日まで停止することを決定。マツダは、広島県と山口県の工場を3月28日から4月30日までの間に操業休止日を13日間設けるなど、連なる下請けを含めた地域経済への打撃も必至だ。
三菱自動車は愛知県岡崎市の工場で9～17日、岐阜県坂祝町にある子会社が運営する工場で13～20日、生産をやめるほか、日産自動車やホンダなども、それぞれ生産調整を行う。工場の従業員が感染し、生産を止めるケースも出ている。

　トヨタ自動車やマツダなど、自動車各社は、サプライチェーン（部品供給網）の混乱で生産調整に追い込まれたリーマン・ショックや東日本大震災の教訓を生かし、下請けの設備状況の把握や代替調達先の検討などを
素早くできるシステムを整えてきた。だが、今回の新型コロナでは、外出を控えることによる買い控えや、海外では販売店の営業休止でそもそも車に対する需要が減っている。

　生産を統括する大手自動車幹部は「過去の教訓でサプライチェーンの把握はスムーズにできている。今回は、焦っても仕方ないとはいえ、需要がないことには生産もできない」と話す。

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