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https://mainichi.jp/articles/20190912/ddl/k15/040/099000c

珍種のカビ発見、井上大地さん　「県内初」にびっくり！　「セミのタマゴかと思った」　十日町　／新潟

８月２３日、大地さんと理英さんが夏休みの自由研究のため、十日町市松之山松口の市立里山科学館「森の学校」キョロロの森に向かっていたときだった。たまたまいつも使う道とは違い、山の中へ入っていく脇道を通っていると「不思議な物」が目に留まった。

　遊歩道の脇に立つ木製のクイに、体長４センチのエゾゼミが止まった状態で死んでいて、おびただしい数の茶色く丸い何かが覆っていた。大地さんは「最初に見つけた時、セミのタマゴかと思った」。理英さんは「花かと思った」と話した。

　何かはわからなかったが「貴重で珍しいことは確か」と思った。理英さんは「絶対にさわっちゃダメ」と大地さんに伝え、２人ですぐキョロロに場所や特徴を連絡した。連絡を受けたキョロロの職員がカビの専門家、筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所の出川洋介准教授に照会。ほどなく「スポロディニエラ・ウンベラータ」と確認された。８～１０月にしか見られない貴重なものだという。

　このカビの発見は大地さんの夏休みの自由研究になり、十日町市などで開かれている研究発表会に出展し、優秀賞を獲得した。

　大地さんは幼いころから、山歩きが好きだった理英さんに背負われて山菜採りなどに行っていたといい、自然のさまざまな生き物に興味を示すという。これまでに集めてきた珍しい物の中には、マムシの死骸や、シロマダラヘビの皮、カマキリなどもある。マムシの死骸は肉だけを虫に食べさせ、骨格標本にしているという。

　今回の発見に大地さんは「県内で初めての発見と聞いてびっくりした。これからも珍しい物を見つけたい」と目を輝かせた。キョロロの森は楽しい遊び場であると同時に、広々とした学校でもあるようだ。理英さんは「これからも自然と触れ合いながら成長していってほしい」と話した。