ディズニーランド・シーっておっさん一人で行ってもええの？ [537837331]

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「オッサン」はびこる中、「全日本おばちゃん党」を谷口真由美さんが解散した理由

法学者の谷口真由美さん（44）が2019年末、代表代行を務めていた「全日本おばちゃん党」を解散した。「おばちゃん党」はフェイスブック上のグループで、メンバーの「おばちゃん」たちが、社会問題についてあれこれと議論し、リアルの社会でも活動を広げてきた。国際人権法の専門家でもある谷口さんは、テレビ番組のコメンテーターや新聞のインタビューなどで、「おばちゃん」目線の鋭い時評を繰り広げている。「桜を見る会」、IR汚職、就活セクハラ……。「オッサン」たちが起こす問題がいまだ山積しているが、なぜ今、解散なのか？谷口さんに聞いた。
「おばちゃん党はシャレと勢いで作った」
「全日本おばちゃん党」は、谷口さんが12年秋、フェイスブック上でつぶやいた言葉がきっかけで結党された。民主党政権末期の当時、民主党代表選と自民党総裁選を報じるテレビに映るのは「オッサン」ばかりだった。「おばちゃん党でも作ったろか」。その言葉に全国の女性が反応した。結党から7年。フェイスブック上のグループは、国内外から約6000人の「おばちゃん」が集うプラットフォームになった。
「おばちゃん党はシャレと勢いで作ったんです。その情熱は盛り上がることもあれば、下がることもある。それでもフェイスブックのページだけは毎日よく見ていました。それが数年前から、本当に見る時間がなくなってきたんです」
「対話ってほんまに難しい」
福島第1原発事故に伴う広域避難、朝鮮学校の授業料無償化除外、夫婦別姓訴訟……。メンバーがそれぞれ自由に自分の問題意識を書き込める空間は、お互いの学びの場でもあった。でも、「おばちゃん」だって一枚岩ではない。知識量に差があったり、問題の捉え方が違ったりして、意見が衝突することもあった。
「対話ってほんまに難しい。傷ついている人たちがたくさんいるトピックスは特に。片方は単純に疑問をぶつけたつもりでも、差別や偏見を受けてきた人たちは『何度も何度も同じことを話してきたのに、まだこういうふうに言われるのか』って思う。一方で、おばちゃんがみんな勉強していて『そうだよね』って言ってくれるかというとそうではない。その辺にいる普通のおばちゃんに対して、どんな言葉で伝えていくかということは、みんなで考えてきたこと。でも、感情的な応酬になってしまうこともあって」
ボランティア継続に限界「『しゃーないなあ』ってあっさり」
19年6月には公益財団法人日本ラグビーフットボール協会理事にも就任。1カ月に名刺を300枚もらった時もあった。以前は意見の食い違いがあっても経緯を見守ることができたが、多忙な中、知らない間に「谷口さんに判断してもらいましょう」と書き込まれていることも出てきた。「『みんなフラットやで』って言って党を作ったのになあ」
谷口さんとともに仲裁に入っていた他のメンバーも、リアルな社会での活動が増えてきたという。これまでも、ヘイトスピーチや他者を中傷するような書き込みには退会を促してきた。でも、そうした重大な判断を伴う運営をボランティアで継続することに限界を感じるようになった。おばちゃん党を解散するのか、代表代行を交代するのか。悩んだ末に、19年末をもって解散することにした。
「周りの友人に相談したら、『あなたが作ったんだから、やめるならやめたらいい』って言ってくれました。ここがオッサンと違うところで、『ほな次、俺がやりたい』っていう人が出てこない。『しゃーないなあ』って、あっさりしてるんです。惜しんでくれる方もたくさんいましたけど、閉店セールが始まったら突然惜しくなるうどん屋みたいなもん。最後は大みそかに、ページを一緒に管理してくれていたおばちゃんたちと、せっせこせっせこ、6時間かけてメンバーの退会作業をしました。『二人でドアを閉めて～♪』ってね。もう気分は尾崎紀世彦ですよ」
「党ができて女性たちが気軽に社会問題にアクション始めた」
おばちゃん党結成から7年。谷口さんの目に、この7年はどう映っているのか。
「ずーっと安倍政権でしたね。そこは変わらなかった。でもそのおかげで、権力とか政府とか国家というものに対して、100％是としなくていいし、100％善でないということがわかった人が増えたんじゃないかと思うんです。なんとなく『お上は悪いことせんやろ』と思ってる人もたくさんいた中で、『いや待てよ、お上も悪いことしよんな』って。森友・加計、桜を見る会、IR汚職、公文書問題。安保関連法、秘密保護法……、いろんなことがあったけど、おばちゃんはみんな覚えてます」