銭湯でイケメン見つけたらどうしてる？♨ [514641339]

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https://mainichi.jp/articles/20210128/k00/00m/040/081000c

戦後復興の体癒やした銭湯廃業へ　岡山の「ときわ湯」、コロナ禍で客足減少

1945年の終戦直後から続く、JR岡山駅近くの銭湯「ときわ湯」(岡山市北区寿町)が31日の営業をもって廃業する。新型コロナウイルス感染拡大による客足減少が大きな要因という。経営者の前原武雄さん（82）は「さみしいが、いろいろな客に出会えた。惜しまれる声もあってうれしいが、赤字が続いており仕方がない」と話している。

　ときわ湯は、JR岡山駅西口から徒歩で約5分。店内には、タイル製の湯船▽「ケロリン」の黄色い洗面器▽年代を感じさせるマッサージ機――などがあり、昭和の香りが漂う。入り口近くには食事用のカウンターがあり、地元のお年寄りや駅を行き来する夜行バス利用の旅行者たちの交流の場となってきた。

長年切り盛りしてきた店の内部を見つめる前原武雄さん＝岡山市北区で2021年1月23日午後5時8分、益川量平撮影
　ときわ湯のように入浴料の上限（岡山県は大人430円）が決められた銭湯は行政上「一般公衆浴場」とされ、スーパー銭湯や健康ランドなど「その他の公衆浴場」と区別される。県によると、確認できる資料で最も古い1970年に県内に193軒あった一般公衆浴場は2020年12月現在、15軒まで減少。県公衆浴場業生活衛生同業組合は「客のニーズの減少や後継者不足、経営者の高齢化の影響が大きい。そこに新型コロナが流行し、更に苦しくなった店もあるだろう」と分析する。

廃業を伝える張り紙＝岡山市北区で2021年1月23日午後4時39分、、益川量平撮影
　ときわ湯も1970年代は1日500～600人が訪れ、1日に3回足を運ぶ近隣住民や、自転車で30分かけて入浴しに来る客もいたという。60年代後半に両親から経営を引き継いだ前原さんは「当時は娯楽が少なかったんだよ」と笑う。しかし、次第に風呂のある住宅が増加したことで客足が遠のき、昼ごろから開店していた営業時間も、夕方からに短縮。さらに2020年の新型コロナ感染拡大が追い打ちをかけ、4月以降の客数は半減し、1日10人ほどになった。以前から抱えていた後継者問題もあり、前原さんは伝統ある銭湯の廃業を決めた。

　21年1月上旬に廃業を伝える紙を張り出すと、閉店を惜しむ声が聞かれた。子どもの頃から通っているという岡山市北区の男性（73）は「昔は一般家庭にまだ普及していなかったテレビがあり、友人らとプロレス放送を見た。お風呂も広く、良いお湯で、楽しい思い出がたくさんある」と名残惜しそうに話した。

　前原さんは「銭湯はお客さん同士が話せる庶民の遊び場だった。私の人生全てが詰まった、とても良い仕事場だった。残りの数日も特段変わったことはせず、いつも通り営業を終えたい」と話した。