クレディ・スイス、１兆円の大赤字で破綻寸前 [324074638]

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クレディ・スイス、最終赤字1兆円　富裕層ビジネス不振
ヨーロッパ

2023年2月9日 17:40

経営再建のためのリストラ費用もかさんだ=ロイター
【ロンドン=大西康平】スイスの金融大手、クレディ・スイス・グループは9日、2022年12月期連結決算の最終損益が72億9300万スイスフラン（約1兆円）の赤字と発表した。経営不安による顧客の預入資産の流出が、富裕層向けビジネスの収益を押し下げた。構造改革に伴う費用負担もかさんでいる。

通期の最終赤字は2期連続で、赤字幅は21年12月期の16億5000万スイスフランから拡大した。22年10～12月期も13億9300万スイスフランと5四半期連続の赤字となった。

経営不安が強まった10月に顧客からの預入資産の引き出しが集中したことが、業績悪化の要因となっている。22年10～12月期の富裕層向けビジネスのウェルス・マネジメント部門は調整後税引き前損益が1億5500万スイスフランの赤字と前年同期の1億3800万スイスフランの黒字から一転した。手数料収入が減少したためだ。

投資銀行部門も12億5900万ドルの赤字と、前年同期の1億8400万ドルの赤字から悪化した。世界的な株式や債券市場の悪化に加えて、顧客の資金流出に伴うレバレッジ（てこ）やリスクの削減による費用がかさんだ。人員削減のリストラに伴い、3億5200万スイスフランの構造改革費用も計上した。

同社は経営再建を急ぐ。同日には、Mクレイン&カンパニーの投資銀行部門を1億7500万ドルで買収すると発表した。企業の株式・社債発行関連業務などを分社化する「CSファーストボストン」と統合する考えだ。40億スイスフランの増資によって、普通株などの中核的自己資本（CET1）比率は22年末に14.1%と、9月末の12.6%から上昇した。

ウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者（CEO）は「投資銀行業務の抜本的な再編を強力に推進する」とコメントした。

構造改革費用は23～24年にも計約26億スイスフランを計上する。顧客の資金流出などが影響して、ウェルス・マネジメント部門と投資銀行部門はともに23年1～3月期も損失が続くという。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR090JJ0Z00C23A2000000/