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死がテーマの小説を作るスレ 2

1 :創る名無しに見る名無し:2010/08/03(火) 18:39:00 ID:M0C6y4DZ.net
・題名通り
・前スレ落ちちゃったみたいなので

2 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:30:01 ID:V14GHCZF.net
5 名前: ◆LV2BMtMVK6 投稿日: 2010/05/24(月) 01:29:06 ID:hOY0LwFl
私が妻帯したのは去る年の始めであった。
彼女の人となりを記さねばなるまい。
といって妻と私が共にあったのは長いことではなく、彼女の深遠をわずかに知ったに過ぎなかったのだとは、今にして思うところである。
彼女はまさしく深淵であった――美しい深淵であった。
それもその広い見識によったのではない。
確かに古今東西の英知が共にあったのだが、それに優って並みはずれた洞察力が彼女を形作っていたのだった。
もちろん、私は知らなかった−−彼女が早晩先立つなどとは。
実に、彼女は死んだ。
私の中のあらゆるものも、彼女と共に死んだ。婚礼の七日後のことである。
そのとき私たちはアルプスの北、大河の源流近くに逗留していたのだが、委細は述べまい。
身まかったのは夜鷹が狂おしく叫ぶ晩のことだった。
生前に鑞のような、どこか生気のないつややかさを浮かべていた顔は、変わらずにあの清楚な、しかし憂鬱な表情を湛えていたが、頬に差していたわずかな暖かみは永遠に失われており、金色輝く曙光の中、私は慟哭した。
腕にしっかとかき抱いた首は咲き終えた百合のごとくうなだれる。

3 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:30:55 ID:V14GHCZF.net
8 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/06/02(水) 23:45:11 ID:QM7fz9wb
先週、親父が死んだ。
 俺は実家の居間で仏壇に飾られた親父の遺影の前に座り、酒を飲んでいる。 そして遺影の親父の前にも一杯の酒がある。
 不思議なもので生前の親父はどうしようもないろくでなしでアル中、酒乱だったので俺は物心ついたころからそれこそ死んだと
知らせを受けるその瞬間まで親父を憎み続け、いつか殺してやりたいと思っていたのだが、白黒の四角い枠の中に納まった親父の
顔を見ていると、自分の一部となっていると思っていた恨みつらみがまるで流したように綺麗になくなっていることに気づいた。
 母さんは言う。「本当にあの人はどうしようもない人だった」
 姉さんは言う。「学生の時に友達が家に来るたびに恥ずかしくてしょうがなかった」
 妹も言う。  「毎日毎日怒鳴ってばかりでまるで怒る以外の感情が無い人に見えた」
 三者三様、家族全員、いや家族どころか告別式に来た近所の人間達でさえ、生前の親父を憎み、嫌っていたというのだ。
 それなのに、今日俺達家族は全員、仏壇のあるこの部屋に自然と集まって親父の思い出話をしている。
 当然のことながら良い思い出なんか無く恨み言ばかりだったけれど、自然とそれはトーンダウンしてただの愚痴になり、やがては
でもこんな良いところもあった、こんなことをしてくれたという話に移行していくのだった。
 人間の死はとてもちっぱけだ。 魔王や悪魔の如く嫌われていた親父でさえ、木で出来た頼りない棺おけに入れられて燃やされあとには
小さな骨壷の中に収められてしまった。 
 ああそれでも人間の死そのものはちっぽけだとしても、個人としての人生はやはり重たいのだろう。 
 残された人間は死んだ人間の何かを背負わされるのだ。 そしてその何かこそがちっぱけな人の死に付属していてその重さが何がしかの価値を、
時には途方も無い価値に感じられるのだろう。
 それは負の価値だとしても一緒なのだ。
 俺達はクズだった親父の負の価値を背負わされている。 そしてそれを降ろすためにこうやって家族で集まり、親父の悪口を言い、言い尽くした後に
荷物をおろしてスッキリとした感想を言い合っているんだろう。
 俺は遺影の親父を見上げる。
 おめでとう親父、あんたは死ぬことによってようやく俺達から許されたよ。 死ななかったらあんたはずっと周囲から嫌われ疎まれつづけていたんだろうな。 
 
            だからこそ言うよ親父、死んでよかったねと

4 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:31:52 ID:V14GHCZF.net
10 名前: 創る名無しに見る名無し [sage] 投稿日: 2010/06/10(木) 14:52:23 ID:qJIUGPUL
やべっwww花wwwwwwwwwwwwww
花壇に花生えたwwwwwwwwwwwwww
種とか植えてないのにwwwうえっwwwww
なんかプチハッピーwwwwwwwwwwww
ちょっとwwww草狩りしてやろwwwwww






─────死───────────────




花まで…………刈って…………………しまった

5 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:34:18 ID:V14GHCZF.net
11 名前: ◆69qW4CN98k [sage] 投稿日: 2010/07/19(月) 23:24:57 ID:WgfAkhwc
急に死にたくなった。
理由など無い。
なぜか死ななければならないような気がしたのだ。
窓の方を見ると、しとしとと雨が降っている。
まるで俺の心の中を表しているかのようだった。
俺の中の、暗い心が、じくじくと染み出して空を染める。
死期を悟った人間は感傷的になるとはいうが、今の俺がそうなのかも知れない。
窓を開けると雨風が頬を撫でた。
下では雨粒がアスファルトに叩きつけられて地面を濡らしていた。
俺もここから飛び降りたら無機質な道路に何かを染み込ませる事が出来るのだろうか。
ベランダからぐいと首を覗かせて確かめてみる。
アパートの俺の部屋から下まで、およそ15メートル。
死ねるか、死ねないか。
……いや、止めておこう。
俺は黙って窓を閉めた。痛いのは嫌だ。
何か別の方法を考えるとしよう。
雨に濡れたせいか体がうすら寒い。
俺は温かいコーヒーを飲む事にした。
お湯が沸くまでに暖房をいれて、服を着替える。
コーヒーが冷えた身体をじんわりとあたためる。
その心地良さに、さっきまでの気持ちがどうでもよくなってくる。
そもそもなぜ死のうと思い至ったのか、自分自身でも不思議に思う。
おそらく気の迷いという奴であろう。
俺はTVをつけてスナック菓子に手を伸ばした。
よくよく考えると小腹も空いていた。
はて、今日の夕食は何にしようか。

「……残念」

そんな事を考えてながらTVを見ていた俺の後ろから、呟く声がした。
ふりかえると白装束の女の子が立っていた。
長い髪を肩まで伸ばし、前髪をそろえた黒髪の少女。
実家にある日本人形のようだと、俺は思った。
その少女は静かに俺を見つめている。
俺には子供は居ないし、ロリコンではないから未成年略取の愚考も犯さない。
先ほどまでは確かに、いや、絶対にいなかった。
しがない大学生の一人暮らしに、見ず知らずの少女が居るという異質。
俺は夢でも見てるのだろうか、もしかして白昼夢というものだろうか。
俺は頬をつねってみる事にした。

「……何のつもり」

むにむにと頬を触ると、少女は表情を変えずに俺をみつめる。
よかった、居る。

「いや、急に現われたから幻か何かだと思ってな」
「幻なんかじゃないわ。ただあなたが認識してなかっただけ」

いきなり現われたかと思えば、いきなり変な事を言う。
俺はコポコポとコーヒーをカップに注ぐと、少女にすすめた。

「まあ立ち話もなんだし、座れよ」
「それ、あなたが口をつけた奴でしょ?」
「独り身な物でな、最低限の物しか無いんだ」

俺の言葉に、やれやれといった感じで少女は腰をおろした。
着物がはためかない様に座るのが、育ちのよさを感じさせる。
俺だったら絶対にああはやれないね

6 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:35:22 ID:V14GHCZF.net
12 名前: ◆69qW4CN98k [sage] 投稿日: 2010/07/19(月) 23:26:18 ID:WgfAkhwc
両手でカップを持ち、ふうふうと息を吹く様は、羹を吹く黒猫のようだ。
一口つけるとしかめっ面をする。
どうやらブラックはお気に召さないらしい。
何度かちびちびと口に運ぶが結局皿へと戻す。
戻したカップを俺は手に取り、コーヒーを一口に飲み干す。

「で、君は誰だい? 盗人の類ならさっさと出てって欲しいけどね」

本題にはいる。
少女は答えた。

「盗人とは違うわ」

相変わらずの冷ややかな表情。

「じゃあ?」
「鬼よ」

鬼ときた。凄い返答だ。
しげしげと少女の姿をながめてみる。

「しましまパンツをはいてないが?」
「……あなたが想像している鬼とは、すこし違うわね」

この世に人がいれば、あの世にも人がいる。
この世ではない、向こう側の者。
人は死んでその存在となり、「鬼」となる。
鬼籍に入るというやつらしい。
目の前の少女がそれなのだという。

「つまり、幽霊というやつか」
「まあそんなものね」

鬼といっても色々いる。その中でも少女は、縊れ鬼という存在らしいのだ。
人にとり憑き、災いをなす者。
その者を死へと走らせるのだ。

「そいつが死んだら、私は成仏してその者が新しい縊れ鬼となる」

死神とはすこし違うらしい。
入れ替わりで、とり殺された者が縊れ鬼となり、縊れ鬼だった者は
極楽浄土へと旅立つ事が出来るのだという。あの世のルールはどうもよくわからん。
もしかして、さっき死にたくなったのはお前のせいかと尋ねたら、少女はこくりと頷いた。
何という事だ。たちの悪い悪霊だ。
見かけが少女なのに恐ろしいことを言ってのける。

「じゃあ死にたくなくなったのは、止めにしたってことかい?」
「違うわ」

縊れ鬼を祓う方法の中に、酒や飯を食わせるものがあるのだという。
腹を満たす事により、鬼が離れるのだそうだ。
どうやら俺がコーヒーや菓子を食べたせいで、コイツの魔力が解けたらしい。
憑き物が落ちたせいで、俺にもコイツが見えるようになったという訳だ。
知らぬが仏とはいうが、仏さんにならなくて良かったと思う。
少女は話しおえると、静かに立ち上がって玄関へと歩きだす。
どこへ行くのかと尋ねたら、別の対象を探すのだという。

7 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:36:10 ID:V14GHCZF.net
13 名前: ◆69qW4CN98k [sage] 投稿日: 2010/07/19(月) 23:27:03 ID:WgfAkhwc
「貴方にはもう、私の力は通じないしね」

そういってそろそろと、部屋から出ようとする。
はてさて困った。
俺は死ななかったわけだが、少女は誰かを殺しに行こうとする。
間接的にだが、俺が生きる事によって誰かが死ぬわけだ。
なんだかひっかかる。どうも心に残る。
気がついたら俺は、少女に声をかけていた。

「……なに?」

あなたにはもう用はないと言わんばかりの態度。
そんな事を気にせず、俺は問いかける。

「俺が失敗したから、誰か代わりを探すのかい?」
「ええ」
「誰でもいいのかい?」
「ええ」
「一人死ねば、あんたは成仏するのかい?」
「ええ」

よし、と俺は拍手を打った。

「じゃあ、俺が死のう」
「……。……ええ?」

少女は首をかしげた。まあそうだろうな。

「いや、今すぐって訳じゃないんだが……他の奴を殺すのは待ってくれ」
「どういうことかしら?」

人はいずれ死ぬ、それは逃れられない運命だ。
俺はもいつか年をとり死んでいくのだろう。

「だから、末期になったら飛び降りでもなんでもしてやるよ」
「……わたしにそこまで待てっていうつもり」
「おっと、退屈はさせないぜ。ゲーム機は持ってるし漫画もあるぜ。
料理だって出来るんだぜ」
「……呆れた」

しばらく少女はそこに立ち尽くしていたが、やがてくるりと振り向き、しずしずと腰を落ち着かせた。

「……まあ、側にいればあなたをとり殺す別の方法が見つかるかもね。」

そういって少女は微笑んだ。うん、可愛い。
ぐぅ、と俺の腹が鳴った。そういえば夕食を決めあぐねてるんだった。
俺は腕組みをして、神妙な顔つきで尋ねた。

「ところで、今晩なに食べるよ?」

8 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:37:13 ID:V14GHCZF.net
19 名前: ◆69qW4CN98k [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 14:38:04 ID:cJ52z8pE
俺は壇上にいた。
壇上にある柱からは縄が垂れ下がっていて、俺の顎にひっかかっている。
両腕はすでに縛られていて、執行人たちが逃げ出さないように側で控えている。
仕掛けが働けば、足元の木枠が外れて下に落ちるだろう。
ようするに、絞首刑というやつだ。
周りでは多くの人々が歓声を上げている。
裁判官が声を上げて、彼らをなだめ様としている。
腕を俺の方にむけて朗々と語る。

「被告人は少女と同棲するという過ちを犯した。これは許されるや否や?」

次々と群集から怒号が興る。

「否! だんじて否!」
「そうだ! 死刑だ!」

死刑! 死刑! とシュプレヒコールが起こる。
なんだ、俺がいったいなにをした。
いまだに状況がつかめていないが、なんだかやばいという事は理解出来る。

「被告人、何か反論は有るか?」

裁判官が俺にむかって尋ねる。あるに決まってるだろちくしょう。

「なぜ俺が死ななければならない?」
「ロリコンは死刑。重大な罪であ〜る」

少女というのはあの娘の事か。
そもそも、あの世に年齢の概念があるのだろうか。
だいたい同じ部屋に住んでいたら罪って、なんですかそれは。

「反論に足る証拠無し、よって閉会とする、有罪!」
「おいちょっと待て」

俺の言葉は群集の声に打ち消された。

「有罪! 有罪!」
「死刑! 死刑! 死刑!」

身体は執行人に押さえつけられて動けやしない。
裁判官が横のレバーを動かすと、足元の木板が開いた。
一瞬の浮遊感の後、俺は落下した。
首に思い衝撃が走り、視界が稲妻のように閃いて真っ暗になる。
耳の奥から聞こえる群集の嬌声を子守唄に、俺の意識は飛んでいった。

9 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:38:02 ID:V14GHCZF.net
20 名前: ◆69qW4CN98k [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 14:39:40 ID:cJ52z8pE
目を覚ますと布団の上で少女が正座していた。
うなされていた俺の顔を覗きこみ、目覚めた事を知ると声をかける。

「おはよう」

そういって離れる。
腹部に感じていた重荷が取り除かれて俺は安堵の息をついた。
やれやれ、悪夢を見たのはこのせいか。

「嫌な起こし方をするな、死ぬかと思ったぜ」

俺はムスッとした顔で悪態をついた。
あら、と少女は俺を一瞥する。

「それは残念ね、もう少しで逝けたのに」

そう言って何事もなかったのように部屋の隅で鎮座する。
この悪霊が。
昨日の今日で死んでたまるか。
この少女は縊れ鬼という。先日取り憑かれたばかりだ。
一人死ねば成仏するという不可思議な存在らしいが、詳しく聞きだそうと
夕飯を一緒に食べようと思ったが、どうやら食事は必要ないらしい。
話を振っても相槌を打つばかりで、愛想がない。
そうこうしているうちに朝になってしまったという訳だ。
目覚まし時計はよく聞くが、目覚まし悪霊とは新しくないだろうか。
俺はパンを頬張りながら、身支度をすませ部屋を出ようとした。
そうすると、少女もついてこようとする。

「何でついてくるの? 俺これから学校なんだけど?」
「あなたに憑いてるから仕方が無いわ」

ご苦労な事である。俺は疑問に思って聞いてみることにした。

「じゃあ、俺がトイレや風呂入ってるときも一緒になるの?」
「……そこまで近づかなくていいわ」

なるほど、とりあえずは側にいるというわけか。
俺はアパートを出ると、駐輪場にむかった。
ヘルメットを被り、バイクにまたがる。
エンジンをかけると少女に尋ねた。

「憑いてこれるかい?」

10 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:38:55 ID:V14GHCZF.net
21 名前: ◆69qW4CN98k [sage] 投稿日: 2010/07/25(日) 14:40:27 ID:cJ52z8pE
しばらくして大学へとつくと、俺はバイクを止めた。
後ろに乗っていた少女は、するりと降りる。
足で追っかけてくると思ったが、さすがに無理なようでバイクに乗ってきたのだ。
ノーヘルを咎められるかと道中びくびくしていたがそんな事はなかった。
どうやら人に見えないらしい。実に不思議だ。
髪をわしゃわしゃと撫でる。触れるのに見えない。
うん、実に不思議だ。
構内を歩いていると知り合いに声をかけられるが、側の少女に気づいたふうもない。
もっとも、縊れ鬼がいうには観える人もいるらしい。
もしそうなら、何と言って説明しようか。
説明しても信じてくれるだろうか。
なにしろ自分もいまだに半信半疑である。

「くーちゃんはどう思う?」
「くーちゃん?」
「縊れ鬼だからくーちゃん。良いセンスだろ」
「……死ねばいいのに」

眉を顰めて嫌そうな顔をする。
どうやらお気に召さなかったようだ
その日の講義を終えて、俺は帰宅の徒についた。
帰りは軽くすませようかどうしようかと迷っている俺の耳に、
ポツリと呟く縊れ鬼の声が聞こえた。

「あの人、死ぬわ」

ブレーキをかけて路肩へとよせる。
俺は縊れ鬼に尋ねた。

「今、何て言った?」
「あの人、死ぬわ。そう言ったの」

そういって伸ばした指の先、公園のベンチに男が座っていた。
スーツ姿のくたびれた顔をした冴えないおっさんだ。
何を馬鹿な事を、と言いたいがそもそもコイツ自体が馬鹿な存在だ。
俺はバイクから降りて、公園へと入った。

11 :創る名無しに見る名無し:2010/08/09(月) 23:43:03 ID:V14GHCZF.net
前スレから転載
移転に伴い、一時スレは落ちてしまいましたが、1が言うには

いろいろなテーマのある創作発表板ですが、「死」がテーマの作品はシリアス故になかなか投下しづらいかと思われます。
殺人鬼の話、自殺志願者の話、死神の話、戦争の話等暗い作品をどんどん創作しましょう。

だそうです

12 :創る名無しに見る名無し:2010/08/15(日) 01:36:27 ID:Et9++L7T.net
あげ

13 :創る名無しに見る名無し:2010/08/16(月) 10:22:36 ID:rhhlUgVl.net
 ふと空を見る。
 雲ひとつ無い空は、鮮血よりも朱い赤色に染まっていた。
 それは、もうすぐ終焉を迎える世界がぼく達人間に送る最期のプレゼントなのだとおじいちゃんは言っていた。
 あと、一週間後に世界は終わる。
 なんでも、隕石が落ちてきて皆死んじゃうらしい。
 その所為なのか、みんながみんな好き勝手やっていた。みんなが見てるのに道端でえっちなことをしてる人とか
殺し合ってるひととか。
 必死に「まじめに生きよう」って呼びかけてる人もいたけど、ぼかぼか殴られてりんごみたいに真っ赤にになって死んじゃった。
 ぼくは、みんなのそんな行動の意味がよく分らなかった。
 もうすぐ死んじゃうのにそんな行動に意味があるのかな?
 生きてる実感って奴がちっともないぼくにはそんなこと、どうでもいいのだけれど。
「優香……」
 ボンヤリそんなことを考えていると、お兄ちゃんに声をかけられた。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「優香!!」
「や……」
 やだ……お兄ちゃんがもの凄い息を切らしてぼくに抱きついて……
「優香!優香!!」
 お兄ちゃんがズボンのチャックからおちんちん出して、ぼくのおまたに擦り付けて……やだ、ジンジンする。
 そして、ぼくはおにいちゃんに奪われて、そして……い、痛い!痛い、痛い、いた、い いた…い
「お兄ちゃん!ヤダよう…抜いて!!」
「優香!愛してる!!」
「うぅ……痛いよぅ…」
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……イタイ







 一週間、この痛みに耐えてぼくは───────────────死んだ。

14 :創る名無しに見る名無し:2010/08/18(水) 00:33:06 ID:Gpc99HAo.net
まさかの展開だwでもありえそうだから恐ろしい

15 :創る名無しに見る名無し:2010/08/18(水) 01:31:51 ID:y3q/zpEK.net
>>13
お前が誰か知っている
文章を書くと言うことは、自分の署名を残すのと同じだと思え
次からは節度ある行いを望む

16 :創る名無しに見る名無し:2010/08/30(月) 10:40:59 ID:gH4Mvx6O.net
それでは再生の儀式を行ないましょう。
ナイフを首筋にあててみる。
怖い。そして実感する。俺は生きている。

「死にたい」つぶやいてみる。
少し心が軽くなった気がした。しかし―

『死にたい』という言葉が形になり、部屋の中をただよう。

形になった言葉は、ドアの隙間から外に出ようとする。
「どこに行こうってんだ。」
問いかけてみる。
「この世に生まれた以上、ぼくにも魂があり、役目があるんだ。外に出してよう。」
俺は苦笑した。なんだこいつは、まるでガキじゃねえか。
だが、それを生んだのは、ほかならぬおれ自身なのだ。

「外にでても、わるいことしないから、出してよう」
「めんどくせえことになったな…」
「めんどくせえことが好きなくせに!ぼくだってめんどくせえことして遊びたい!」
「遊びか、それなら仕方ないな」

俺は、ドアを開けた。


おわり

17 :創る名無しに見る名無し:2010/08/30(月) 13:46:03 ID:zRf3dCYj.net
俺の名前は、五十嵐勇太。
五十嵐家の長男だ。父はまじめの政治家。母は美人で結婚したいくらいだった
弟は、ロシアでウィルスの研究をしている。姉は父の後援会の会長だった。
円満な家庭だった。あの日までは

父が婦女暴行殺人の犯人として警察に連行された。父は無罪を主張。
監視カメラの映像に移っていたからだ。
俺は、急いで家の帰った。玄関を開けたら、母が首をつって自殺していた。
父も留置場で自殺。その後父の無罪が証明された。
しかし、周囲から白い目を向けられた姉は、遺族に殺されてしまった。
遺族はワイドショーでヒーロー扱いされ、俺は引っ越すしかなかった。
悲劇がまた起きた。帰国した弟が、いきなり連行された。
父の息子というだけで、傷害事件の犯人として連行された。
弟は取調室で、頭を強く打ち死んだ。刑事がいすを蹴り飛ばしたからだ。

「俺に残ったのは復讐だけだ。家族も、友人もすべて失ったのだ。」
俺は警官から奪った拳銃を、誤認逮捕した刑事に向ける。

18 :創る名無しに見る名無し:2010/08/30(月) 14:09:54 ID:zRf3dCYj.net
周囲一帯はたてと銃を持った警官が囲んでいる。
レポーターもいる。家族を批判した奴だ。
「っじゅ・・。銃を置け。そんなことをしてもいいのか?」
「ああ・・いいとも・・。俺は殺人鬼の息子だもんな。」
「すっすまなかった。五十嵐勇太郎君。」
「おれは、勇太だ。」
引き金を引いた。同時に機動隊が俺の左胸を打ち抜いた。
「いっ・・五十嵐君。何で俺を撃たなかったんだ・・。」
「・・・しゃぁねぇじゃん。・・あの・・世で親父・・たちに合わす
・・・・・がねぇだろ。刑事さん・・・あんたのやり方を・・悔やめ」
「まさか最初から・・・。」
五十嵐はまもなく死亡した。私のやり方のせいでだ・・・。

「命は大切にしなくちゃいけないよ。」
半年後、私は地方の駐在所にいた。
「だってさ・・。彼氏とケンカしてむしゃくしゃしたんだもん。」
「私はね、多くの人の命を奪ってしまったんだ。」
あの話しをっもう一回思い出す。一度自殺も考えた。
しかし、五十嵐君はあもっと悔やんだはずだ
「それって五十嵐君のことでしょ。」
「実はね私、五十嵐君の妹なんだ。」
女は爆弾を体に巻きつけていたのだ。
「まっ待って。あああああああああああああ」
爆弾はやがて復讐の炎となり、小さな村の駐在所を焼き尽くした。




---------浅賀金次郎巡査、身元不明の遺体とともに焼死体として発見される---------------





復讐は復讐しか生まない



19 :創る名無しに見る名無し:2010/08/30(月) 16:38:14 ID:aXCcDSH8.net
明るく書くとしよう

「たっく・・・嫌になってくるぜどうして俺がこんな目に・・・」
ある日俺がいつものようにそこら辺をブラブラしていると突然周りが暑くなって体が動かなくなってしまったのだ
もう死にたいと思うのだが体に生命力が残っているためまだ死ねない、死にたいのに死ねないそんな苦痛の中で時間だけが過ぎていった、そしてーーー
「・・・・そろそろ・か・・・」
ゆっくり消えていく意識の中俺は死に対する恐怖がまったく無かった
(・・・オヤスミ・・・・・)

ーーー数日後俺は再び目覚めた
「オハヨウ、残酷なこの世界」
さて今日もブラブラしますか



俺はベニクラゲ休むことなく漂い続けるだけの素晴らしい存在

20 :”管理”人:2010/08/31(火) 11:47:55 ID:PrAygZM9.net
1940年アメリカ オハイオ州のある病院。

「じっちゃん。南北戦争の話してくれよ。戦車とか見たんだろ。」
私の孫は目を輝かしながら言った。
「お前に言っても何にもならん。」
20歳の彼には戦争の苦悩は知らない。
「じっちゃん。今、日本って国が中国を攻めているんだ。」
「お前まさか。志願兵に・・・。」
「俺にだって何かできるはずだ。」
「やめろ。人をいやなほど殺さなくちゃいかん。」
「じっちゃん。俺もう行くは・・・。」
孫は扉の奥に消えていった。
その後1941年。海軍に入隊した孫はオアフ島の基地へ配属された。

1941年12月8日悴む様な寒さの中、日本軍は真珠湾攻撃を行った。
民間人57人、軍人2,345人が死亡。
孫は戦艦アリゾナに乗船し、船と共に海の底へと沈んでいった。
やがて月日は過ぎ、終戦後初めて春がやってきた。
病に倒れ、余命1年持たないと言われたが、5年も生きてしまった。
その間、様々な死を見た。
私は生きすぎた。南北戦争で死に掛けた仲間を見捨て見殺しにした。
その報いだろう。

私はしばらく休むことにしよう。また、死を見ぬように。

21 :massuru:2010/08/31(火) 14:00:56 ID:PrAygZM9.net
僕は、人の名前を呼んではいけない。
僕は名前を呼ぶと、その人が1週間以内に


-------------死ぬ----------------------------------------

僕はこんな能力を持っているから、いろんな大人に利用された。
「お前誰だ?」
僕はいつもどおりこの男の名前を呼ぶ。そしてこの男は死ぬ。
伊集院鷹光。穂の海会系大野組若頭。
依頼されているのは、敵対するやくざの渡桐商会。
依頼人は基本名前を出さない。僕が間違って殺してしまうかもしれないからだ。
「伊集院鷹さんですか?」
「そうだよ。まさかてめぇ!?」
「さようなら。」
「ぐおおおおおお。嘘だろおおぉぉぉぅ。」
男は嘆き苦しんでいた。

父と母は間違って昔、殺した。名前を呼んでしまったのだ。
奨学金で高校に入学し、生活費は人殺しで稼いでいる。
僕もこんなことはいやだった。
だから、同級生とはあまりかかわらないようにしている。
友達はいないのは寂しいが、友達を間違って殺すのはもっといやだった。
クラスの人気者がうらやましい。
家に帰ってもしゃべる人はいない。いつものようにコンビに弁当を暖めて食べるだけだ。
テレビをつけた。2日前に名前を呼んだ弁護士が漬物石で頭を勝ち割って死んだというニュースが舞い込む
「何で生まれてきたんだろう。こんな能力なんて要らない。死にたいよ。」
自分の名前を何度もつぶやいた。何度も何度も。
けど、自分の名前を呼んでも死なない。

次の日、僕は弁護士の事務所にいた。
「証言に邪魔な娘を殺して欲しい。10日以内にだ!」
「何歳ですか。」
「年齢で決めるのか?断ったら君を始末しなくちゃいかん。」
「はいはい。」
いつもどおり、安賃金を受け取る。
5日前医者に言われたことを思い出す。
「君はもう長くない。」
この仕事をしたら足を洗おう。
こんな能力は封印しよう。普通に生きよう

22 :ラストリボルヴァー 1:2010/09/07(火) 16:17:16 ID:xw0oE3T+.net
 はあ、はあ、と荒い息遣いが聞こえる。
 目の前には、拳銃を自らのこめかみに突きつけいる少女の姿があった。
 彼女は、恐怖でがたがた震えながらも鋭い眼つきで此方を睨みつけている。
 その視線に私は、たじろいてしまう。

 ―――なんで私がこんな目に……。

 何故、こんな状況に陥ってしまったのか私はよく憶えていない。
 ただ、気が付くとガラスを挟んだ向こう側の女の子と共に気を失っていた。
 真っ白でドアの見当たらない個室。天井には引き戸が一枚あり、とてもじゃあないがあそこからの脱出は不可能のようだ。

「嘘でしょ……」

 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い、怖い!怖い!!怖い!!!
「頭がおかしくなりそう」
 なんとか正気を保とうとするけれど、もう限界だった。
「だってそうでしょ? 目が覚めたらへんな部屋にいて監禁されてるのよ?
 誰だって怖いわよ!! ……助けて、お母さん、お父さん!!」

「やれやれ、いい歳してなに泣き叫んでるのやら……。錯乱してるのは分かるけれど、ちょっとはしたないんじゃないかしら? お姉さん」
 
 はっとして、ガラスの向こう側に目を向ける。さっきまで、ガラスに沿って設置された机に突っ伏して眠っていた少女が、身を起こし此方を見つめている。
 ワンピースを着た可愛らしい少女の目は、死んだ魚のようにどんよりと曇っていた。
「あ――――」
「何か聞きたいことがあるみたいだけれど、貴女からの質問は受け付けていないから黙っててね」
 声を発しようとした私を遮り、少女は悠々とそんなことを言い放った。
「そんな、わたしは―――――」
「発言も許可していません。ただし、あたしが質問したことには迅速に返答すること。いいわね? 
 もし、あたしの言い付けに背いたり、反抗的な行動が目に付くようなら……」
 少女は、焦らすように溜めそして――――
「毒ガスが貴女の部屋に噴射されて大変なことになちゃうから♪」

 なに、それ、、、、、、、、、

「いやぁ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、!!」
 



23 :ラストリボルヴァー 2:2010/09/07(火) 17:37:26 ID:xw0oE3T+.net
「まず、貴女の身元確認から始めます。説明はその後、でいいわね?」
 私はこくりと首肯する。
「よし、いい子ね。それじゃあ始めるわよ。
 氏名、春野四季。 年齢、24歳。 両親は既に他界。 現在、xx企画に就職。
 住居は、xx市xx町のアパートで、独身にして恋人もいない。
 これで、間違いないわね?」
 こくりと首肯する。最後のところはイラッとしたけど、気にしない……。
「OK。じゃあ次は、貴女が置かれている状況を説明するわね。
 いまから、あたしと貴女とでロシアンルーレットをします。それで、勝ったほうがこの部屋から脱出することができます。
 つまり、勝てば天国。負ければお陀仏ってことね♪」

「―――――――――――!!」

 そんなことを軽く言ってのける少女に、私は戦慄を禁じ得なかった。
 自分も死ぬかもしれないのに……。
 それで理解した。この娘はもう完全に終わってしまっているのだと――――

「ああ、そうそう。肝心なことを言い忘れていたわ。使用するのは、このリボルヴァーよ」
 言って少女は、何処からともなく黒光りした禍々しい拳銃を取り出し銃口を――――

 自らのこめかみに当てた。

「ちょっと―――――!!」

 制止しようとする私を尻目に彼女は、引き金に指を掛ける。
 よく見ると少女は、がたがた震えている。彼女の眼を見る。とたん彼女の眼を見てしまった自分の軽率さを呪った。
 そこには、有らん限りの憎悪を込めて、それこそ、視線だけで人を殺せるほどの呪いを込めて、此方を鋭く睨む少女の姿があった。

「ひぃ……!」

 恐怖で引き攣った私の顔を見て、少女は口許を吊り上げ、、、、そして、、、、、

 引き金を引いた。

 かちゃ。
 拍子抜けするほど軽い音が、部屋中に響き亘る。
「ってな感じで、このゲームは進行していくわ♪
 もう、ゲームは始まっちゃたから棄権はできません☆
 精々、長生きしてあたしを楽しましてちょうだいね?」
 棄権できたのか……。
 絶望、それこそ、どう足掻いても、絶、望、

 ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ

「あらあら、ショックの余りに失禁しちゃったかしら?
 あはははははははははははははははははははははは!!」



24 :ラストリボルヴァー 3:2010/09/07(火) 18:55:20 ID:xw0oE3T+.net
「そうそう、言い忘れていたけれど、こんな碌でもないゲームにも一応のご褒美が用意されているのよ」
 衝撃的な出来事の連続で私の精神は、限界を迎えていた。
「ご、ほう、び?」
「そう、ご褒美! このゲームに勝ち残った選ばれし者には、私生活の一切をこのゲームの主催者に保障して戴けるのよ!!」
 少女は、艶やかに微笑み言う。
 正直、このゲームのご褒美なんてどうでもよかった。兎に角、一刻も早くこの異常な空間から抜け出さなければ、完全におかしくなってしまう。
 そう、眼前の、少女のように……。

「それじゃあ、ゲームの続きを始めましょうか?」
 
 言って、少女は拳銃を机の引き出しに入れて強引に押し込んだ。
 此方の机の引き出しから忌々しい拳銃が現れる。
 どうやら、この机の引き出しは向こうの部屋に繋がっているようだ。

 はあ、はあ、はあ、
 息が、突然荒くなる。これまでに、これまでの人生のなかで、ここまで恐れ慄いたことがあっただろうか?
 ない。絶対ない。自分の人生をどれだけ思い返してみても、ここまでの窮地に陥ったことはなかったはずだ。
 恐る恐る、拳銃に手を伸ばす。
 ずっしりと重い。まるで、40キロのダンベルを片手で持っているかのようだ……。
 手が……上がらない!!
 いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、やだ!ヤダ!!やダ!!!!!!!

「やぁぁぁぁぁぁぁだぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」
「あはは、泣いちゃったぁ!!
 だらしな〜い♪
 じゃあ、しょうがないか……。
 パパ、この子のお部屋に毒ガスを噴射しちゃって!!」
 瞬間、部屋のあちこちから煙が噴出された。
 煙は、すぐに私の部屋いっぱいに充満し、確実の死を私にもたらすだろう。
 私は、覚悟を、決めた。
 ゆっくりと腕を上げ、こめかみにリボルヴァーを突きつける。
 その瞬間、いままでの出来事が走馬灯のように流れては消えていった。
 私は、生きたい!! もっと、生きたい!! 世界(ここ)に存在していたい!!
 そのために―――――――

 私は、引き金を、引いた。

 かちゃ。
 軽い、生存を伝える至福の音が、部屋中に響き亘る。
「チイッ」
 顔を歪めて舌打ちを打つ少女。
 気が付くと、毒ガスは突然開いた排出口に吸い込まれ、消え去っていた。
 よかった!! 生きてる!! 私、まだ生きてる!!!
 生きているだけでこんなにも嬉しいなんて……!!

「生き残って喜んでいるところに申し訳ありませんが、早くリボルヴァーをあたしのところに渡して戴けませんこと?」

 少女の怒気を含んだ声に、現実へと引き戻された……。

25 :ラストリボルヴァー 4:2010/09/08(水) 00:05:39 ID:JcyV3Eww.net
 そして、私たちはこの凄惨なやり取りを繰り返し続けた。
 共に、精神をすり減らし、お互い発狂寸前までに追い詰められていた。
 
 かちゃ。
 
 かちゃ。

 かちゃ。

 かちゃ。

「うそ、、、、、、、」
 少女が悲壮な声を上げて呟く。
 このリボルヴァーの弾装数は7発。
 つまり、この時点で少女の死は確定していた。 
「うそよ。そんなはずない……。あたしは、これまでずっと生き残ってきたのよ?
 そんなはずない、、、、、、、、、、、、うそだ!!!!!!!!!!」
 少女は、がたがたと震えて今にも壊れてしまいそうだった。

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ―――――――――――死にたくない。
 いやだああああああああああ!!!たすけて!!パパ!!
 死にたくない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 その瞬間、無慈悲にも少女の部屋に毒ガスが噴出される……。

「いやああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

 少女の最期は、惨憺なものだった……。
 体中の穴という穴から血を噴出し、弱々しく

「ママ、未来死にたくないよ……。た、す、、、け、て、、、、」
 
 と呟き絶命した。あまりにも悲惨すぎる最期だった。


 

 その後、生き残った私はこのゲームの主催者に救助された。
 彼は、この国のVIPを集めたカジノの主催者だそうで、気に入った人間を攫っては、ゲームと言う名の殺戮を繰り返していたそうだ。
 主催者は、口止め料として子孫10代は遊んで暮らせるだろうと思えるほどの額を私にくれた。
 私も、それ以上関わりたくなかったので、ここであった事の一切を忘れることにした。
 忘れられるはずもないが……。


 それから、7年。 苗字が、春野から結城にかわり子供に恵まれ、幸せな日々を送っている。
 いまでも、あの時の事を夢に見る。そのたびに、あの薄幸の少女のことを思い出す。
 本当なら、あの娘だって人間として当たり前の幸せを成就できたはずなのに……。
 
 「行ってきます!ママ!!」
 「行ってらっしゃい、未来!」

 そうして、私は今日も娘を元気に送り出す。
 彼女は、不幸を背負って無残に死んで逝った。
 なら、彼女のぶんまであの娘を幸せにしようと心に誓った。


26 :創る名無しに見る名無し:2010/09/08(水) 00:32:21 ID:MND0HLsC.net
今度は娘が攫われて……てのはBAD過ぎるか
簡潔だけど面白かったよ、GJ

27 :創る名無しに見る名無し:2010/09/08(水) 00:46:11 ID:JcyV3Eww.net
ありがとう。
久しぶりに書いてみたけど、やっぱり書くのもおもしろいなww

28 :創る名無しに見る名無し:2010/10/05(火) 06:25:34 ID:+CPT4RgZ.net
保守

29 :創る名無しに見る名無し:2010/11/23(火) 09:10:29 ID:lwMoKTzm.net
あげ

30 :創る名無しに見る名無し:2010/11/24(水) 18:00:23 ID:RQFivO1x.net
保守

31 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:36:47.26 ID:62DmzIIL.net
うんこから風呂へと至る一連の流れは美しい

32 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:38:55.69 ID:62DmzIIL.net
歩くと暑い
チャリをかっ飛ばすと寒い

33 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:39:19.00 ID:62DmzIIL.net
水と空気とうんこの三位一体

34 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:41:02.55 ID:62DmzIIL.net
いつまで生きてんだよカストロさんは……

35 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:42:15.95 ID:62DmzIIL.net
痛みと痒みは同じところが感じてるんだとさ

36 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:42:43.74 ID:62DmzIIL.net
心の痛みと心の痒みは同じようなものなのか

37 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:45:22.55 ID:62DmzIIL.net
でも心の痒みってどんな時に感じるんだよ……

38 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:47:25.79 ID:62DmzIIL.net
いまからだと、一人で700程か

39 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 14:49:08.33 ID:62DmzIIL.net
おまえはただの童貞ではない
144000人のうちにかすりもしない童貞だ

40 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:02:40.54 ID:62DmzIIL.net
しょうゆ豆が漬け物扱いされていることに未だ違和感がある

41 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:03:39.52 ID:62DmzIIL.net
形式的にはしょうゆ漬けだが、しょうゆ豆はしょうゆ豆として独立したジャンルを形成してもよいのではないか?

42 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:04:31.14 ID:62DmzIIL.net
南瓜の皮も食べる派と馴れ合うつもりなど毛頭ないわッ!

43 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:05:01.07 ID:62DmzIIL.net
牛蒡は皮ごと食わなきゃ牛蒡じゃねーよw

44 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:05:46.66 ID:62DmzIIL.net
蜜柑の皮ですら漢方薬になるというのに、おまえの皮はそこに空しくついたままかね?

45 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:06:41.28 ID:62DmzIIL.net
盛り上がるのはけっこうですがそいつは既出どころの騒ぎじゃないです

46 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:07:39.09 ID:62DmzIIL.net
おお百円玉のこの大いなる安堵感よ……

47 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:08:17.66 ID:62DmzIIL.net
おまえの立てたスレ、二千円札みたいな扱いされろ

48 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:11:59.08 ID:62DmzIIL.net
エロサイトのサイト名ってどうしてああも芋臭いのが多いんだ

49 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:12:29.75 ID:62DmzIIL.net
詩的な名前つけられても困るけどさ

50 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:13:55.39 ID:62DmzIIL.net
君はアニメの話をしたいのではない
君は政治の話をしたいのではない
君はラノベの話をしたいのではない
君は酒の話をしたいのではない
君は節制の話をしたいのではない
君は歌の話をしたいのではない
君は作品の話をしたいのではない
君は恋愛の話をしたいのではない

51 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:18:26.14 ID:62DmzIIL.net
そびえ立つ葱坊主を見よガイアの陰茎まさに斯くの如きならん

52 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:18:56.49 ID:62DmzIIL.net
この際ガイアの性別はさほど問題ではない

53 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:20:15.15 ID:62DmzIIL.net
チンポカッタークロノスが私の股間の葱を狙っている

54 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:20:33.30 ID:62DmzIIL.net
……もう葱がアナコンダでいいよ

55 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:22:59.45 ID:62DmzIIL.net
ところでおまえら、酒が好きなのか飲酒運転が好きなのかはっきりしてくれ
このままでは話ができん

56 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:23:36.34 ID:62DmzIIL.net
運が悪ければ鶯菜が頭に当たっても人は死ぬ

57 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:25:00.23 ID:62DmzIIL.net
弘法筆を選ばず……選ぶもくそも、あの人、自分で作っちゃうし……

58 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:25:22.36 ID:62DmzIIL.net
おまえか羅生門に住んでいたのは

59 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:26:15.98 ID:62DmzIIL.net
現実を見るのもいいが、いままさに火にかけている鍋も、ときどきでいいからちゃんと見ろよ?

60 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:29:16.88 ID:62DmzIIL.net
でも自分、皮膜ありませんから……

61 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:32:01.26 ID:62DmzIIL.net
痛快! 前スレ!!

http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1273952185/

62 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:33:44.65 ID:62DmzIIL.net
アバラを広げ……帆を張れ、と……?

63 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:35:37.88 ID:62DmzIIL.net
そこまでして生息域を広げんでもええやん……

64 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:37:11.44 ID:62DmzIIL.net
陸上だけでは……人類の繁栄は……あやういと……?

65 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:38:41.52 ID:62DmzIIL.net
でも人類はすでに宇宙に……

66 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:39:52.28 ID:62DmzIIL.net
貴様が出ていけッ!

67 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:41:19.36 ID:62DmzIIL.net
サラダに蒸し鶏は入れたいが焼き豚と一緒に食う予定でもある……どうする?

68 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:42:40.17 ID:62DmzIIL.net
また油虫に怯える日々が始まるお……

69 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:49:02.20 ID:62DmzIIL.net
おいちゃん……
ベーコンも豚肉だよ……

70 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:49:52.96 ID:62DmzIIL.net
私一人だけが正義として崇められたい

71 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:50:46.17 ID:62DmzIIL.net
ほかの人は正義を唱えてはいけない
正義として崇められる私をただ阿呆のように賛美し続けておればよい

72 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:52:12.77 ID:62DmzIIL.net
阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている

73 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:53:00.43 ID:62DmzIIL.net
無論私も信じている……いや、信じたい。信じたいじゃあないか

74 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:53:31.20 ID:62DmzIIL.net
そろそろ飽きてこないか相棒?

75 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 15:57:32.40 ID:62DmzIIL.net
そういうのは就職したら徐々に直していった方がいいよ

76 :創る名無しに見る名無し:2011/02/24(木) 16:01:56.79 ID:62DmzIIL.net
オ ナイス ビーンズ

77 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:11:15.86 ID:hp4u8m4B.net
ソフト木綿というものを考えた奴はきっとどうかしていた

78 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:11:42.56 ID:hp4u8m4B.net
鼻のかわりに尻の穴がむず痒くて仕方ない

79 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:12:21.88 ID:hp4u8m4B.net
自覚のないミーハーたちよ

80 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:13:24.57 ID:hp4u8m4B.net
ホットケーキにきな粉をまぜるだけで毎日が幸せ

81 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:14:09.14 ID:hp4u8m4B.net
十年たっても同じコテをつけている人々は尊敬に値する人たちだと思う

82 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:15:05.58 ID:hp4u8m4B.net
ありえない
あのサイズで体重一キロだなんて
どう考えても信じられない

83 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:16:00.88 ID:hp4u8m4B.net
たぶん偽物の下仁田葱

84 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:18:15.09 ID:hp4u8m4B.net
今年は今まで行ったことのないところに桜を見に行こうか

85 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:18:47.73 ID:hp4u8m4B.net
グッバイ二十年ほど動いていた安物の腕時計

86 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:19:55.75 ID:hp4u8m4B.net
やっぱり股関節の形状が違うのかねえ……

87 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:20:45.24 ID:hp4u8m4B.net
不味い酒を燗したら限りなくゲロに近い味になった

88 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:22:40.74 ID:hp4u8m4B.net
……ひょっとして花粉症、治ってきてる?

89 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:23:38.69 ID:hp4u8m4B.net
水菜も薹が立ち始めたね

90 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:25:31.15 ID:hp4u8m4B.net
爪切りで皮膚を切り、固まった内出血の血をほじくりだす機会は、残念ながらあまりない

91 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:25:46.83 ID:hp4u8m4B.net
さすがに赤穂は無理だ……

92 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:30:26.87 ID:hp4u8m4B.net
知的キャラが最終的には力押し
お馬鹿キャラがどういうわけだか知能戦

93 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:32:15.91 ID:hp4u8m4B.net
日記だからなあ……ある意味フリーダムだからなあ……訳しがたい部分があるのは仕方ないけどさあ……

94 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:34:49.85 ID:hp4u8m4B.net
人型ロボット一台作る技術と予算で、
たぶん、
同程度の攻撃能力を持った非人型戦闘兵器が数台は造れる

95 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:35:24.46 ID:hp4u8m4B.net
あああああああああああッ!
まりもようかん、楊枝でプチっとしたいなあ!

96 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:35:57.09 ID:hp4u8m4B.net
平常展ッ! 平常展示はまだですか!!!!

97 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:37:25.88 ID:hp4u8m4B.net
たーけーのーこーのーおーさーしーみーーーーーー

98 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:38:28.88 ID:hp4u8m4B.net
それで商売をしている人×バイト×観光客

99 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:39:00.07 ID:hp4u8m4B.net
神戸が限界

100 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:40:11.69 ID:hp4u8m4B.net
今年の分のルミナリエ予算を全部寄付できたら尊敬する

101 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:40:58.61 ID:hp4u8m4B.net
洗濯物がよく乾くようになると
鍋の中身は腐りやすくなる

102 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:41:48.69 ID:hp4u8m4B.net
アラブの狂犬さん、元気かなァ

103 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:42:08.12 ID:hp4u8m4B.net
そういやビンラディンさんはどうしてるんだろ

104 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:43:54.44 ID:hp4u8m4B.net
胡椒や七味を扱い損ねてもたいしたことにしかならないが、
塩は扱い損ねるとたいしたことでは済まされない事態に陥ってしまう

105 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:44:47.90 ID:hp4u8m4B.net
デパ地下のくるくるゆるゆる回るお菓子台、まだあるのかな……

106 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:49:18.75 ID:hp4u8m4B.net
旬じゃない時季の方がよく育つ

107 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:49:48.78 ID:hp4u8m4B.net
猿山っていくら見てても飽きない

108 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:52:58.33 ID:hp4u8m4B.net
載ってないと思ったらカワラバトが正式名称なのか……

109 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:53:22.17 ID:hp4u8m4B.net
……カワラバトも載ってないってのはどうかと思う

110 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:53:43.98 ID:hp4u8m4B.net
生クリームと低脂肪乳が分離したー

111 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:56:12.93 ID:hp4u8m4B.net
梅宮大社と松尾大社がちょっとごっちゃになってた

112 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:58:00.01 ID:hp4u8m4B.net
たかがきなこで腹を壊せるものなのか

113 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 14:59:23.23 ID:hp4u8m4B.net
壊れたのは、まだ生きている君達の、その自意識を覆っていたなにかだよ

114 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:00:20.66 ID:hp4u8m4B.net
気が付けば、置き時計の電池は、ずれている
時は微妙に、遅れている

115 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:01:34.38 ID:hp4u8m4B.net
土筆や野苺の場所をチェックしておいては
いざその時季になると収穫に行くことを忘れている

116 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:04:02.60 ID:hp4u8m4B.net
不謹慎とミーハーと無知の境界はたえず揺れ動き、
その正体をなかなか私に見せようとはしないのです

117 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:05:33.60 ID:hp4u8m4B.net
あ、そっか……亀は冬眠してるんだ……

118 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:09:49.33 ID:hp4u8m4B.net
そりゃあ時季的に真夏だし、
市街からよく見える場所なんだから陽を遮るものなんか無いけれど、
街からこいつを見るんじゃなくここから街を見た方がよっぽどいいと思うけどね


119 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:10:34.49 ID:hp4u8m4B.net
タイミング的に……次壊れる長寿命電化製品は……炊飯器、か……?

120 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:11:05.21 ID:hp4u8m4B.net
冬は、歩くものだと、知った

121 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:12:45.63 ID:hp4u8m4B.net
下衆の勘ぐりはよせ
感受性が鋭い人なのは作品を観ればわかるだろう
とりあえず騒いでいる連中と一緒にしてやるな

122 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:13:13.88 ID:hp4u8m4B.net
保証期間内にものを壊してみたい……

123 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:15:32.17 ID:hp4u8m4B.net
ちょうど「牛」の項が必要だったのに……ああ……でも、大震災の影響だったのなら仕方ないか……

124 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:16:22.05 ID:hp4u8m4B.net
なんでそれを自治スレで話し合わへんのーん?

125 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:17:29.08 ID:hp4u8m4B.net
あれ? ひょっとして今年の冬、いつもより寒い?

126 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:18:25.70 ID:hp4u8m4B.net
むしろ眼は小さい

127 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:19:43.35 ID:hp4u8m4B.net
そりゃ十三湊も壊滅するわな

128 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:20:50.55 ID:hp4u8m4B.net
一晩水につけなくてもすぐに調理できるお豆さんはまだですかそれでも二十一世紀ですか

129 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:21:29.82 ID:hp4u8m4B.net
お前の戻す高野豆腐、どう戻しても必ず内部に戻し残りできろ

130 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:25:38.40 ID:hp4u8m4B.net
ああ
龍谷ミュージアムまだかなあ……

131 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:26:51.50 ID:hp4u8m4B.net
来年は水族館かよクソッ

132 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:30:16.60 ID:hp4u8m4B.net
ゲロを冷やせばよい

133 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:31:47.36 ID:hp4u8m4B.net
図書館役人の執着をあまり甘く見ない方がいいとだけ言っておく

134 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:32:25.81 ID:hp4u8m4B.net
地元民はほぼ無関心ですので……

135 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:34:01.19 ID:hp4u8m4B.net
愛好家が書いた解説書ほど読んでいて白けるものはない

136 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:37:21.16 ID:hp4u8m4B.net
私は貴方の踊りを見たいのではない
貴方が手にしているものの、その真髄を知りたいだけなのだ

137 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:38:27.72 ID:hp4u8m4B.net
肉って、アブラ、出すんだよね……ささみばっか食ってたから忘れてたよ……

138 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:39:42.74 ID:hp4u8m4B.net
味噌汁に豆腐と油揚げを入れるのはふつう
さらに茹で大豆を入れるのも誤差の範囲

139 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:45:59.16 ID:hp4u8m4B.net
綺麗だなんだ言うにゃ、月ってやつぁ、チト小さすぎやしないかね?

140 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:50:04.97 ID:hp4u8m4B.net
なんかずっとスレタイが違ったまま続いていたような気もするけど
直さずそのまま次スレ立てちゃった……


                   
                   
                   
                   
                        ヽ○ノ   姉「まあいいか!」
                         /
                        ノ)
                   
                   


.

141 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:51:54.55 ID:hp4u8m4B.net
あ、融けた

142 :創る名無しに見る名無し:2011/03/13(日) 15:52:39.59 ID:hp4u8m4B.net
塩の結晶作るの思い出した! ありがとう!!

143 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 01:58:52.92 ID:A2A/TMxr.net
最近卵黄が二つ入った卵を見ない

144 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 01:59:39.16 ID:A2A/TMxr.net
本当にやる奴はこんなところで喚いてないで、
きちんと自分で調べて、それなりのことをやっていますよ

145 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:00:14.63 ID:A2A/TMxr.net
品は一般市場に出回っていない
レシピはあちらこちらに出回っている

どうしろと

146 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:03:12.80 ID:A2A/TMxr.net
ななつぼしって、コシヒカリよりは美味くね?

147 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:03:55.57 ID:A2A/TMxr.net
テレビで報道された斜面犬には引き取り手が殺到するっていうじゃないですか
その心理ですよ

148 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:05:19.73 ID:A2A/TMxr.net
下仁田葱のフライが相変らず美味ぇ……
牡蠣フライなんざこいつに比べりゃ生ゴミだぜ……

149 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:05:55.57 ID:A2A/TMxr.net
何なの貴方? 善人さまに刃向かう気?

150 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:06:59.59 ID:A2A/TMxr.net
やべぇ! 
間違いなく今年の冬は例年より寒い!!

151 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:07:43.52 ID:A2A/TMxr.net
酒興と肴を一緒にすんなよ……

152 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:08:31.12 ID:A2A/TMxr.net
正義は俺が決める!


いいこと言ったよあのデコっぱちは

153 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:12:05.29 ID:A2A/TMxr.net
へえ
こないだの小選挙区、オール民主でとったんだあそこ

154 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:13:20.89 ID:A2A/TMxr.net
どうでもいいと思ってるからちょくせつ本人に言わないだけです
あの人たちも、きっと、そう

155 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:14:30.19 ID:A2A/TMxr.net
災害時にその災害を擬人化して遊ぶのはNGだけど、
平時に気にくわない人へ向かって「お前が死ねばよかったのに」というのは全然OKだよぉ〜(クス

156 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:15:12.48 ID:A2A/TMxr.net
ランプ

157 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:16:19.35 ID:A2A/TMxr.net
ちょっと待て! あの方向に線路はないぞ? 今の擦過音は何だ!?

158 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:18:19.26 ID:A2A/TMxr.net
蝦夷は千年たってもしょせん蝦夷か……

159 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:19:09.48 ID:A2A/TMxr.net
誰が私の神経を逆なでしていいと言った?

160 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:20:08.94 ID:A2A/TMxr.net
     _人人人人人人人人人人人人人人人_
     >      わりとどうでもいい       <
      ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

               ヘ(^o^)ヘ 
                  |∧   
                 /

161 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:21:02.95 ID:A2A/TMxr.net
平和宣言系都市が戦争を常職としていた戦国武将を町おこしに使ったって別にいいじゃないですか
時代が違うんですよ
え? 今もそれが常態な国があるって?
場所が違うじゃないですか
くだらないいちゃもんはやめてください

162 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:21:54.64 ID:A2A/TMxr.net
他人の不幸と他人の愚行、見ていておもしろいのはどーっちだ?

163 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:22:43.06 ID:A2A/TMxr.net
人が人を想う気持ちを嗤って、なにが楽しいッ!?

164 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:24:00.46 ID:A2A/TMxr.net
普段使わない店ほど割引券をくれるのですよ

165 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:24:44.77 ID:A2A/TMxr.net
勝手に全人類を巻き込まないでください
これ以上のことがよそ様で起きた時貴方は巻き込まれていたんですか?

166 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:25:36.95 ID:A2A/TMxr.net
進研ゼミの漫画ってなんでこんなにおもしろいんだろう

167 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:26:12.23 ID:A2A/TMxr.net
何でこんなことで口論できるのかなあ
おめーとてめーの美意識が衝突してるだけの話ですやん

168 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:26:57.92 ID:A2A/TMxr.net
漫画家に思想がないのはあの人がさんざん証明してくれただろうに
いまさらなにを言っとるんだね君は?

169 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:27:42.67 ID:A2A/TMxr.net
そんな私を観察している人もきっといる
その時私は荘子の怯えを知るのだろうか

170 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:28:41.14 ID:A2A/TMxr.net
さーて
今日は誰を気遣って自重してあげようかなぁ〜(ニヤニヤ

171 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:29:50.86 ID:A2A/TMxr.net
ワラジムシを丸めようと必死な人たち

172 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:31:05.86 ID:A2A/TMxr.net
邪馬台国がのちの大和朝廷になったとか
大和朝廷が邪馬台国を滅ぼしたとかじゃなく、
大和朝廷側が知らないところでどうでもいい国が邪馬台国を滅ぼした可能性ってどのぐらいあるんだろ

173 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:31:46.15 ID:A2A/TMxr.net
リビアでは今も内戦でどんどん人が死んでんねんで!?
なんで戦争SSなんか投下できるぅん?
アンタおかしいで!!!???

174 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:32:19.74 ID:A2A/TMxr.net
屋島山上水族館が知らん間に新屋島水族館になってた……

175 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 02:32:55.08 ID:A2A/TMxr.net
大根の味も落ちてきたなあ
これが冬の終わりというやつか

176 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:05:11.85 ID:A2A/TMxr.net
なにこれ美味いホイル焼きも最高とろけるマジとろける

177 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:09:57.97 ID:A2A/TMxr.net
……どうやって二年間反応し続けてたんだ?

178 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:11:25.28 ID:A2A/TMxr.net
ネギボウズガー

179 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:17:05.95 ID:A2A/TMxr.net
わざわざ滋賀まで買いに行かんでもじゅうぶん自作できたんだ……

180 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:19:47.14 ID:A2A/TMxr.net
死にかけた雀を別の雀が何とかたすけようとしていた

181 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:20:15.55 ID:A2A/TMxr.net
……んだと思っておこう

182 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:21:43.28 ID:A2A/TMxr.net
じゃあ正体はモチモチした塊かなにかですか

183 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:23:32.74 ID:A2A/TMxr.net
すべての信号で赤に引っかかった日

184 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:26:23.32 ID:A2A/TMxr.net
あーこっちでも水とカップ麺と電池が微妙に売れ行きよかったわ

185 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:28:12.19 ID:A2A/TMxr.net
「党派を超えて」じゃないです
悪いイメージがついちゃった自党を水に混ぜて薄めてごまかそうとしないでください
あとうるさい

186 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:32:49.22 ID:A2A/TMxr.net
当事者ですか?
だったらそいつぁアンタの個人的な事情じゃあないですか
アタシにゃあ関係のないこって

187 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:34:30.68 ID:A2A/TMxr.net
当事者じゃないんですか?
だったら無関係じゃあないですか
語りたかったらそこのお地蔵さんにでもお相手してもらってくだせぇ

188 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:38:26.43 ID:A2A/TMxr.net
とうの昔にヒューイットさんが悟ってしまったことですよ

189 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:40:18.25 ID:A2A/TMxr.net
そうそう、夜桜ライトアップも中止ー

190 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:42:21.75 ID:A2A/TMxr.net
冬野菜もそろそろ終わりかと思うとついついいらん量買っちゃうんだよw
家中生野菜だらけ

191 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:43:34.08 ID:A2A/TMxr.net
人間が電話で話す声ってマジうっとうしいな

192 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:44:07.42 ID:A2A/TMxr.net
電話では言えなくてもじかに会うと言えることってあるじゃない

193 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:44:56.44 ID:A2A/TMxr.net
次は花菜、唐辛子、筍あたりか

194 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:48:14.25 ID:ArvcarAJ.net
.

195 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:48:49.64 ID:A2A/TMxr.net
ゆるゆる食べようと思っていたお菓子に限って
あっという間に食い尽くしてしまう現象について誰か解説してください

196 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:50:20.52 ID:A2A/TMxr.net
壬生菜のシュークリームはないわぁ……さすがにないわぁ……

197 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:50:43.35 ID:A2A/TMxr.net
でも通りかかったら買っちゃうんだろうなあ

198 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:52:04.25 ID:A2A/TMxr.net
いやでもぜんぶ漬け物にするのもねぇ

199 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:53:03.16 ID:A2A/TMxr.net
なんか今年いきなりだよ
こんな無意味に野菜買いまくってンのは

200 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:53:26.86 ID:A2A/TMxr.net
前世がヌーだったこととあるいはなにか関係が……?

201 :1ninja:2011/03/19(土) 21:59:30.94 ID:A2A/TMxr.net
どれ

202 : 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 :2011/03/19(土) 21:59:56.68 ID:A2A/TMxr.net
またか!

203 : 忍法帖【Lv=27,xxxPT】 :2011/03/19(土) 22:00:28.83 ID:A2A/TMxr.net
よし

204 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:02:17.19 ID:A2A/TMxr.net
主な子孫には菅原道真がいます

205 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:03:30.17 ID:A2A/TMxr.net
しかたがないので色々と調理法を調べてはいるんだけど
すると今度は今の時季にない野菜をむしょうに食いたくなってくるという

206 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:07:03.49 ID:A2A/TMxr.net
歯に挟まりさえしなければもっと夢は広がっていましたよ

207 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:13:49.68 ID:A2A/TMxr.net
茶室から一斉に脱出しあうパニック物とか

208 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:14:54.16 ID:A2A/TMxr.net
……あそこまで厨二設定てんこもりだと
いっそすがすがしくてもう評価するしかなかったんだ

209 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:17:19.65 ID:A2A/TMxr.net
基本は麦茶
問題はそこに何茶を混ぜるかだ

210 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:19:58.22 ID:A2A/TMxr.net
そういえばきなこはまだ試してなかった
でもさすがにこれは地雷臭い……

211 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:21:28.60 ID:A2A/TMxr.net
田中マジ何者?

212 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:28:16.18 ID:A2A/TMxr.net
毎日みょうに眠いのは春先だからなのか寒いからなのかどっちだ

213 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:32:17.18 ID:A2A/TMxr.net
防風氏の骨ください

214 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:34:18.42 ID:A2A/TMxr.net
もし当時2ちゃんがあったら
間違いなく孔子はオカ板に入り浸ってたね!

215 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:35:21.62 ID:A2A/TMxr.net
木乃伊を服薬って、冷静に考えるとちょっといやかも

216 :創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 22:37:10.10 ID:A2A/TMxr.net
怪我もないのに絆創膏を貼って
皮膚を白くふやかす遊び

217 :創る名無しに見る名無し:2011/03/22(火) 00:23:13.81 ID:vTXscv/X.net
悲しい奴だなこいつ

218 : ◆69qW4CN98k :2011/04/17(日) 19:39:26.63 ID:bXRvfaNN.net
公園のおっさんは座ったままで動こうともしない。
ぼんやりと鳩を眺めてるだけだった。
今日は平日だ。営業中の休憩だろうか?
自販機の缶コーヒーを飲みつつ、俺はおっさんに声をかけた。

「いい天気ですね」

おっさんはちらりと見やったが、すぐに視線を戻した。
まあそうだろうな。
俺だって見知らぬ他人から声をかけられても警戒する。
縊れ鬼の発言が無ければ素通りするだろう。
俺はベンチの隣に座り、またおっさんに声をかけた。

「なんだか眠たくなるようないい天気ですね」

俺の言葉に今度はおっさんがちらりと見た。
なんだコイツといった表情を隠さない。
そんな態度を受け流して、俺は愛想笑いをした。
数秒の沈黙。
おっさんは乾いた笑いを浮かべて口を開いた。

「ああそうだね」
「ですよね」
「このまま眠って死んじまいたいよ」

死ぬ。
死んじまいたい。

『あの人、死ぬわ』

なんだよ。
なんなんだよ。
そう簡単に死ぬとか言わないでくれよ。

「はは、陽気ってやつですか」

俺は内心を隠しながら相槌をうつ。
それを見透かしたのかどうか、おっさんはすかさず俺に質問してきた。

「なあ君、死にたくなった事はあるかい?」

今度は俺が言葉に詰まる。なんてディープな質問だ。
なんだろう、明るい日差しが寒く感じてきた。

「いや、ありませんよ」
「だろうね。君はまだまだ若い」

ふぅ、とため息をつきおっさんは続ける。

「職を失い家族と別れ、アパートも追い出されてしまった。ハハハ」

おっさんは自嘲的に笑う。
俺も愛想笑いするが表情が強張る。
なんと声をかけていいかわからない。
戸惑っている俺に関心を無くしたのか、おっさんは公園を出ようとする。
ベンチから立ち上がり、俺の方を振り返った。

219 : ◆69qW4CN98k :2011/04/17(日) 19:42:31.45 ID:bXRvfaNN.net
「こんな中年に話しかけてくれてありがとうよ、……ええと」
「あ、真司です。佐藤 真司」
「ああ真司君か。そちらの御嬢さんは妹さんかね?」

妹……なんだって?
俺は隣を見た。いつのまにか縊れ鬼がベンチに座ってやがる。
そんなことよりも、この人は見えるのか?

「……違ったかね?」
「あ、え……ま、まあ妹みたいなもんです」
「そうか大事にしなさいな」

そういうと、とぼとぼと歩いて行こうとする。
その背には夕日の陰がさして、なんだか哀愁を感じさせた。

「あ、あの」

俺はおっさんに声をかけた。

「なんだね」

おっさんは振り向いた。

「また……会えますよね?」

俺の言葉におっさんは自嘲気味に笑った。
乾いた笑い。やつれた、疲れた笑い。

「さあ……どうだろうねぇ……」

とぼとぼと、おっさんは去ってゆく。
俺にはそれをとめる術がない。
ただ黙って見送るしかできなかった。
おっさんが去ったあと、俺は縊れ鬼に尋ねた。

「見えるのか?」
「なにが?」

興味なさそうに髪をくるくると弄る少女。

「お前の姿だよ。おっさんには見えてたのかってことだよ」
「貴方は見える。あの人も見える。それだけのことよ」
「でも大学じゃ気づかれなかったぜ?」
「見えない人がいた、それだけのことよ」
「じゃあ……」

ごくり、と俺は唾を呑みこんだ。

「あの人が死ぬって……どういうことだよ?」
「そのままよ」

少女は顔色ひとつ変えない。
可愛い顔してもやはり化け物か。

220 : ◆69qW4CN98k :2011/04/17(日) 19:44:04.60 ID:bXRvfaNN.net
「おまえが……あの人を殺すのか?」
「よしてよ」

少女は俺を見つめた。
なにを馬鹿な、といった蔑みと憐みの目。

「他の人を探すと言ったわ、でも今はあなたに憑りついている。そんなことは出来ないわ」

そうだった。俺はこいつに憑りつかれているのだった。

「じゃあなぜおっさんが死ぬと?」
「ひとつ、教えてあげるわ」

縊れ鬼は真っ直ぐな目で俺をみつめる。
瞳の中に俺が写ってるのが見える。
これが瞳の中に吸い込まれるってやつか。

「他人の死と、私の存在はまったくの別物、そして―――」

すっく、と少女が立ち上がる。

「あなたは私が憑り殺す。失敗したけどね」

ひゅうと風が吹いた。
気がつくと夕日は傾いて影が濃くなっている。
俺も立ち上がり、縊れ鬼にむかってこたえた。

「面白え……やってみろよ」

俺も公園を出ることにした
バイクにまたがり、エンジンをかけてそのまま走り去る。
縊れ鬼をほっといて一人で帰る。
なんだかもやもやしてやりきれない気持ちだ。
アパートに帰ると鍵を閉めて、夕食をかっこんだ。
シャワーを浴びてその日は早めに寝た。

221 : ◆69qW4CN98k :2011/04/17(日) 19:46:03.43 ID:bXRvfaNN.net
朝、胸が苦しくて目が覚めた。
布団の上で少女が正座している。
目が合うと少女は答えた。

「おはよう」

ちくしょう、鍵はかけたのに。さすがは縊れ鬼、化け物ってやつか。
大家にオートロックについて意見をいうべきだろうか。
TVをつけながら洗面所にいくと、ニュースキャスターの声が耳に入ってくる。

「昨日、○○県××市で事件がありました―――」

○○県××市。
俺の住んでる場所じゃないか。
じゃばじゃばと顔を顔を洗いながら耳をそばだてる。

「××市の□□公園内で、男性が首を吊っているのが発見されました―――」

ぴくり。俺は手を止めた。
ニュースキャスターがつづける。

「発見したのは清掃員。所持品などから警察は鈴木 栄五郎(53)さんと断定、
着衣の乱れもなく自殺とみて捜査を進めています」

何故か俺の頭の中で、昨日のおっさんの姿が浮かんだ。
自殺したのはあのおっさん。俺はそう確信した
鈴木 栄五郎。
あのおっさんらしい名前じゃないか。
ははっ、なんだろうな。なんだろうな、この気持ち。
俺は無性にやるせなくなって、
再び布団へと潜った。
そんな俺に縊れ鬼が無神経に声をかけてくる。

「あら、学校に行くのかと思ったけど」
「うるせえな、気が変わったんだよ。妖怪さんには人の気持ちなんかわかんねーだろうよ」

俺はTVをBGMにして再び眠りにつくことにした。
ああうんざりだ。今日は目覚めが悪い。
そんな日は寝なおすにかぎる。

222 :創る名無しに見る名無し:2011/04/17(日) 19:47:13.51 ID:bXRvfaNN.net
>>5-10の続き

今さらかよ、と言われても気にしな……ごめん嘘です
すいませんでした

223 :創る名無しに見る名無し:2011/04/17(日) 21:18:56.01 ID:SiOpEA02.net
なんだか不思議な空気だ

224 :創る名無しに見る名無し:2011/04/18(月) 08:52:41.60 ID:SlYxFD1G.net
>>222
続き待ってる

225 : ◆69qW4CN98k :2011/05/01(日) 23:13:57.43 ID:sHWw7luu.net
気が付くと俺は舟の上にいた。
両手足を拘束され、ご丁寧に足枷には重りがつけられている。
顔を動かし辺りを何とか見回すと、両岸には沢山の人、人、人。
どうやら俺は川べりにいるようだった。
周りの人間は盛んに声を荒げて叫んでいる。

「有罪! 有罪! 有罪!」

なんだ、いったい何なんだ。
俺は状況がまったくつかめていない。だいいちここはどこだ。
振り向くと、同じ舟の上に身なりの良さそうな御仁が一人いる。
両脇に武装した兵をはべらせ、険しい声で叫んだ。

「これより裁判を執り行う!」

兵が俺の肩を掴み、無理やりと起こす。
押さえつけられた俺は身動きできず、事の成り行きをただ黙って聞いていた。

「被告人は少女と同棲するという過ちを犯した!」

その声に怒号と罵声の歓声があがる。
御仁は片手をあげて制した。
少女? いったい何のことだ?
困惑する俺を無視して周りはさっさと事を進ませる。

「この罪許し難し! よって神前にこの者の身柄を問うことにする!」

周りの奴らによく見えるように、兵たちが俺を抱え上げた。
歓声がよりいっそうと大きくなる。

「清らかなる水へとその者を投げ込み、水に拒否され浮かんで来れば有罪、焚刑へと処す!
水が受け入れれば無罪、この者の罪は許される!」

ああなるほど、浮かばなければ助かるのね。

「……て、ちょっと待て」

浮かばなければ無罪って、水の中じゃ息ができないだろうが。
反論しようとした俺を、兵は勢いよく水へと叩き落とした。
ざばんずぶずぶと俺は水中へと沈んでいく。
叫ぼうとするがゴボゴボと口から泡を出すだけで何もできない。
頭上に見える水面はどんどんとその濃さを増してゆく。
俺の視界もどんどん暗くなっていく。冷たくなっていく。
ドプン、と川底についた。
ごぶりと吐いた水泡が上へ上へと上がっていく。
ああ寒い。
顔につく砂土が冷たい。川の水が冷たい。
冷たい。暗い。そして意識は朦朧としてくる。

(これが、死か……)

何故か怒号の歓声が良く聞こえる。
轟々と鳴るその音を聞きながら、俺の意識は飛んで行った。

226 : ◆69qW4CN98k :2011/05/01(日) 23:14:52.38 ID:sHWw7luu.net
目が覚めた。
ふと顔をあげるとやはり奴が布団の上に鎮座していた。
涼やかな声で、目があった俺に挨拶をする。

「おはよう」

そういって布団の上から離れた。
少女、縊れ鬼は何も語らない。
部屋の隅で鎮座すましているだけである。
時計を見てみると朝と呼ぶには遅い時間帯だ。
いつもならとっくに大学へと向かっているはずなのだが、俺は気分が乗らなかった。

―――あの人、死ぬわ

少女はそう呟き、そして一人死んだ。
また外へと出かければ、誰かが死ぬのではないのか?
そう思った俺は大学もいかずに部屋でゴロゴロしていたのだった。
少し退屈だが近辺の訃報を聞くよりかはずっといい
なあに、まだ慌てるような単位じゃない。
縊れ鬼は憑りついてるせいか、ずっと一緒に居る。
見かけは少女だが、理解しがたい面妖不可思議な力を持っている、そう俺は確信していた。
自分の仕業ではないと言ったが、いまいち信用できない。
化け物。
そう、コイツは化け物だからだ。
だが俺は別段恐いと思わなかった。
殺す、と言われたがこうして俺は生きてるし、外見が少女の姿を恐れろって方が難しい。
こうして数日過ごしているが、別段何も起きない。
かくして俺は引き籠り体験を謳歌していたのである。
俺は指を縊れ鬼にむけて勝ち誇った。

「こうして外に出なければ事故も起こせまい。ふはは勝った!」

笑う俺に少女は無反応だ。少しは反応しろちくしょう。
食を取らなくてもいいと言ったが、それは本当だった。
ずっと佇み様子をうかがっている。少女の方からの行動はない。
いや、寝入ったらいつのまにか伸し掛かってくるが。
おかげで悪夢続きだ。ぐっすりと寝た気がしない。

(待てよ……)

ひょっとして、このまま少しずつ寝不足で衰弱させていく心づもりなのか。
毎夜布団の上にいるから悪夢を見るのではなく、少女が居るから悪夢を見るのではなかろうか。
憑り殺されるというのはこういうことなのだろうか。
なんという計画殺人。
俺はいつのまにか術中に嵌っていたのかもしれない。
何とか対抗策を考えねば。

グゥ……

あれこれ悩んでいると俺の腹がなった。じっとしていても減るものは減る。
冷蔵庫を開けても蓄えは少ない。
このまま籠城策を続けても良いのであろうか。
明らかに単位と食費と時間が奪われてしまっている。
ひょっとして俺のやっているのは無駄なことではなかろうか。
何かを成さねばならないとは思ってはいるが、何をすればいいのかわからない。
俺は死ぬ気はない。他人の死を見る気もない。
……死とは、なんだ?
人を殺そうとするコイツは、何なんだ?

227 : ◆69qW4CN98k :2011/05/01(日) 23:17:26.80 ID:sHWw7luu.net
一人死ねば成仏、そして死んだ者があたらしい「鬼」となる。
まるで鬼ごっこだな。
鬼に捕まった者が鬼となり、別の犠牲者を探す。
負の連鎖。
生者は鬼から逃げなければ死んでしまう。
だが……はたしてそうなのか。
縊れ鬼に憑かれた者は死んでしまう。
そして、俺は間一髪で助かった。

(本当に、そうなのか?)

俺は死んでない。少なくとも今のところは。
そして俺が引き留めたにせよ、コイツはここにいる。
他人を殺してないコイツが居る。
でも、おっさんは死んだ。
人は鬼、死を運んでくる存在から逃げようとする。
古今死から逃れた人がいるだろうか。
遅かろうが早かろうが人は死ぬ。
縊れ鬼の存在に関わらず人は死ぬ。
縊れ鬼が殺せば、人は鬼と化す。

(鬼とは、死とは……なんなんだ?)

ふさぎ込む俺の思考を玄関のチャイムが現実へと呼び戻した。
来訪者の心情を表しているかのようにピンポンピンポンとけたたましい。
新聞の勧誘ではこうはいかない。
俺は覗き穴で相手を確認することもせずにドアを開けた。

「よう」
「後藤」

玄関の前には、俺の友人の後藤が立っていた。

「いや良かったぜ。チャイム鳴らして起きてこなかったら救急車呼ぶ所だった」
「馬鹿、まずは携帯にかけろよ」
「かけろってお前……充電しとけよな」

充電?
ああ、そういうことか。
どうやら引き籠ってるうちに携帯の電源が切れていたらしい。

「ああ、悪い。まあ中に入れよ」
「言われんでもそうさせてもらうぜ」

俺は後藤を中へと招き入れた。
縊れ鬼のことが少し気になった俺は、両方を確認した。

縊れ鬼は相変わらず部屋の片隅に鎮座している。
後藤は差し入れの袋をごそごそと何かやっていた。
どうやら見えてはなさそうだ。

―――あの人、死ぬわ

おっさんは見えた。そして死んだ。
後藤には見えてはいない。
大丈夫、大丈夫だ。

228 : ◆69qW4CN98k :2011/05/01(日) 23:18:28.35 ID:sHWw7luu.net
「まあよかったぜ、しばらく顔見せないから気になってな」
「悪いな。まあ……風邪みたいなもんさ」

俺と後藤は買ってきた差し入れを肴に雑談していた。
病人と思われる奴に酒とツマミを持ってくるのはコイツらしい。
縊れ鬼はいるのかいないのかわからないほど静かだ。
ちらりと見てみると、つけっぱなしのTVを見つめていた。
あやかしにも受信料は請求できるのだろうか。

「風邪かよ、でも馬鹿にしちゃいけないぜ。こじらせるとやっかいだ」

ああ、と俺は相槌をうって酒を飲む。
俺がもし飛び降りていたら、こうして話すこともなかったんだろうな。
奇妙な事だ。
俺はそんな、自分を殺そうとした奴を引き留めている。
少女の姿をしているから?
他人を殺させようとしたくないから?
自分でもよくわからない。俺はどうしたいのだろう。

「どうした? ぼんやりして」

後藤が話しかけてくる。
むう、いかんいかん。
病は気から。あまり考えすぎるのはよくない。
俺はこうやって生きている、それでいいじゃないか。
UMAだっけ? 未確認生物、それらも確かに存在している。
だいたいそんな感じ。細かいことはあとだ。

「ああ悪いな。ちょいと考え事をしていてな」
「いったいなんだよ?」

訝しがる後藤。俺は横目で縊れ鬼を見た。

「妖怪っていると思うか?」
「はあ!?」

すっとんきょうな声をあげる後藤。
まあそうだろうな。
俺は立ち上がって縊れ鬼の側に移動した。
縊れ鬼は俺と後藤に興味なく、あいかわらずTVを見ている。

「妖怪は自分を殺そうとしている、そしたらお前どうする?」
「はああ!?」

またもや変な声をあげる後藤。
俺はむんずと縊れ鬼の着物を掴んで、後藤の前へ突きつけようとした。
が、持ち上げようとした手は裾を掴んで捲り上げただけだった。
白い肌襦袢が目に映る。下着をつけないというのは本当だったんだ。
硬直する俺と縊れ鬼と、後藤。
最初に沈黙を破ったのは後藤だった。

「やっぱりまだ熱あるみたいだな……帰るわ、俺」

そういうと立ち上がり、すたすたと玄関へと歩き出す。
どうやら本気で帰るようだ。

「お、おい」
「あんまり無理すんなよ。電話すりゃパシリぐらいするぜ」

229 : ◆69qW4CN98k :2011/05/01(日) 23:19:34.22 ID:sHWw7luu.net
バタン、と戸が閉まる。
むう……。
どうやら後藤には縊れ鬼は本当に見えてなかったようだった。
見えない者が縊れ鬼を触れるのか?
それを試してみたかったが、病人扱いされたようだった。

「まあいい」

機会はこの次に。
俺は死なない。見えるけど死んではいない。
後藤は見えてはいない。見えなければ死なない、はず。
他の人も多分、きっとそう。
とりあえず縊れ鬼という存在を、俺以外の人に知ってもらおう。
三人寄れば何とやら、良い知恵が浮かぶかもしれない。

俺の手は着物の裾を吊りあげたままだ。
縊れ鬼は正座したままの姿、着物が捲れあがっている。
白い肌襦袢が目に優しい。
見える奴が居るとするならば、触れる奴もきっといるはず。
俺は縊れ鬼にむかって微笑んだ。

「だよな?」
「……死ねばいいのに」

縊れ鬼は呆れたように呟いたのだった。



・・・続く

230 :創る名無しに見る名無し:2011/05/15(日) 21:21:41.56 ID:+j8ZFxoZ.net
上遠野浩平と京極夏彦をミックスしたような作風ですね。
とても面白いです。
続き頑張ってください。
応援してます。

231 :創る名無しに見る名無し:2011/05/19(木) 18:22:04.53 ID:Jbg4IRAG.net
フリーゲーム、セラフィックブルーの二次創作です。
死をテーマにしている作品なので、投下させてください。



 冥い闇が、私を優しく抱いている。
 それはとても冷たく、でも、ずっと私が求め続けてきた「救済」と酷似している。
 この冷たくも優しい虚無に包まれて、私という存在はゆっくりと、けれど確実に消滅していく……。
 私は、ようやく「救済」を得る。現世という鳥籠から放たれ、何処までも堕ちて逝けるのだ。
 でも、待って。
 私は、まだ責任を果していない。「彼ら」に託された責任を私は果さないままに死に逝こうとしている。
 レイクやユアンの想いを私は無駄にしようとしている……。

「哀れね、ヴェーネ。そんなくだらないモノのために縛られているなんて」

 聴き慣れた、けれど、忌々しい声が発せられた方へと振り向く。
「もう少しで、お前の望む『救済』に手が届くというのに……」
「エル……!!」
 エル。リフューズ・セラフィックブルー。
 私の最初の友人であり、私の忌々しき本性。
 生命を否定し、運命を憎み、世界の終焉を望む。
 滅びの担い手。死天使・Refuse Seraphic Blue。
 その死天使が私に妖艶な笑みを向ける。
「ねえ、ヴェーネ。お前はもう十分に『救世の道具』としての責任を果したというのに、どうして意地らしくもこの世に留まっているのかしら? 
 この星からしてみれば、お前はもう用済みの『塵』でしかないというのに……」
「…………………」
「言っておくけれど、ドラッグに頼っても無駄よ。廃人になったとしても、お前は「私」からは逃れることはできない。お前は死ぬまでこの悪夢を見続けることになるのよ」
 私はおもむろに懐から注射器を取り出し、首許に注射する。
「まあいいわ。今は逃避していればいい。だけど、私は、いつまでもお前の傍にいる。
 ヴェーネ。お前がお前であるが故に」
 そして、悪夢は消え去り、視界が薄れて全てが私の前から消え失せていく。
 私はまた深い眠りに落ちていった。


232 :創る名無しに見る名無し:2011/05/19(木) 19:02:06.62 ID:Jbg4IRAG.net
投下終了です。

233 :創る名無しに見る名無し:2011/05/21(土) 12:54:30.82 ID:X0jIFYde.net
ググってみると何か重苦しそうなゲームだな

234 : ◆69qW4CN98k :2011/05/22(日) 00:15:49.22 ID:s3f+/zTl.net
教室の人影はまばらだった。
時間つぶしなのか、昼寝している奴もいる。
しかしそれは仕方のない事なのかもしれない。
必修科目ではないし、魅力的な講義は他にもたくさんある。
だが今の俺には、この教授の話は琴線にふれる物があった。
縊れ鬼は相変わらず俺の側に居る。ただ黙って立っている。
周りの人には見えてはいない。良いことだ。
教授はつらつらと己の持論を展開していき、俺はそれに聞き入った。

「……妖怪は存在するのか? その問いかけにですね、私ははっきりとイエスと答えましょう。
しかしそれは概念的なものでありまして、多くの現象が妖怪の定義に含まれるわけです。
前にもお話しましたが、人は理解できない事、天災、疫病など、
自分ではどうすることも出来ない現象を納得させる為に『妖怪』という物を生み出しました。
何が起こったか理解できないより、とりあえず『あれは○○の仕業』と自分を納得させたのです。
これはですね、心理学的にもですね、わかりやすい。
人は不安を抱えては生きていけない生物でして。ストレスに弱い。
皆さんもいないですか? 何か不調があると重病に違いないと思ってしまう人。
鍵かけたかな、とわざわざ戻って確認する人。いないかな? いませんか?」

教授は教室を見回した。俺の居る場所にもちらりと顔を向ける。
間が入ったにも関わらずに寝てる奴には敬意を表する。
もっとも、お喋りされるくらいなら寝ててくれた方がましだ。
鍵なんざ、かけても窓ガラスを割られてしまいだろう。
別段そんなものは気にしてない。
親から貰ったこの身体は健康そのものだ。最近死に急いだが。
誰も手をあげたりはしない。
それを確認して、ふむ、と教授は頷き先を続けた。

「これみんなストレスです。この行為が行き過ぎると、心理学的には病気と判断されます。
心気症とか強迫性障害、ですね。意外と人間というものはストレスや不安に弱い。
その不安を解消するためにですね、理由をつけたわけです。
こんな現象が起こった。でもそれがどうして起こるかわからない。不安が残ります。
こんな現象が起こった。それは何々の仕業です。何々はこういう時、こういう場所で現れます。
自分をね、納得させて不安を解消したわけですよ。見えないモノに怯えるよりもね、
妖怪というスケープゴートを生み出して精神の安定をはかったわけです。
未知に対する恐怖が妖怪を生み出しているわけです」

教授はスライドを動かしてスクリーンに地図を投影させる。
そこには数々の妖怪の名前が書いてあった。
俺でも知っている名前もある。
教授がポインタを当てながら続ける。

「みんなもわかる通り、世界地図ね。名前だけ見てるとわからないけど、これみんな妖怪です。
海外では悪魔とか妖精とかいった方がいいのかな? まあいいや。
人間の不安というものはですね、場所かわっても変わらないものですよ」

スライドが次々と変わっていき、妖怪の姿が映し出されていく。

「河童、ケルピー、ヴォジャノーイ、ニクシー、ペグ・パウラー、ネック、はいちょっとここまで。
なんだかわかります? 河童でわかったかな? はいそうです。これ全部、川に関係する妖怪です。
昔は河川とか荒れ放題でしたからね、茂みとかあってちょっと何か出そうな雰囲気なんですよ。
まあ橋とかない場所もありますから、ぬかるみに嵌ることもあったでしょう。
馬とか人とか溺れるのをね、妖怪のせいにした。で、子供とかに戒めるわけですよ。
川に近づいちゃいけません、河童がでるぞ! てね。子供は水遊び好きですけどね、お化け怖いですね。
で、結果的に溺死は少なくなるわけです。『妖怪』に教訓を持たせたわけですね。
そして現代になるわけですが、皆さん、河童の仕業とか聞いた事ありますか?」

235 : ◆69qW4CN98k :2011/05/22(日) 00:16:58.74 ID:s3f+/zTl.net
また教授は周りを見回した。
河童? そんな話はついぞ聞いたことはない。
コンクリ塀の河川敷に河童の絵は映えない。
この現代に河童などいるのだろうか。

「多分みなさん聞いたこと無いですね。今は舗装や柵などで川は綺麗になっていますからですね、
恐怖を感じないわけです。恐れる必要がなくなった。そもそも川に近づく必要性がない。
河童という『妖怪』をですね、恐れる意味がない。この時初めて『妖怪』は死んじゃうわけです。
我々が『妖怪』という存在を忘れたら、居ないも同然、死んじゃうってわけです。
しかしですね、人間はとかく悩みがちなものでして、あらたな恐れがですね、新たな妖怪を生むわけです。
アンサーさんでしたっけ? 携帯電話からウニョーンって出てくる奴。
これは携帯電話が普及してない頃にはまったく聞かなかった名前ですね。
ジーコジーコ黒電話回しても誰も出ませんでしたよね?
我々は新しい妖怪の出現に立ち会ってるわけです。
おそらく携帯が普及してなかったら生まれてませんでしたよ。
いつでも、どこでも、顔の見えない誰かに、通話できるという、見えない不安。
妖怪を調べるとですね、その時代の背景がみえてくるわけですよ。
土着の妖怪を調べるとですね、その世俗がみえてくるわけです。面白いですね。
人が生きている限り、妖怪は存在し続けていくでしょう」

上手いもので、時間きっかりに講義は終わった。
学生たちもパラパラと散っていく。
俺は教授のもとへと向かった。
俺の要件は講義ではなく、教授にある。
『妖怪と民俗』を研究している、柏木教授に。
俺は教壇から離れて部屋を出ようとしている教授に声をかけた。

「教授、柏木教授」

教授はくるりと振り向くと、俺をしげしげと眺めた。

「なんだね……ええと」
「佐藤 真司です。実は教授に尋ねたい事があるのですが」

ふむ、と教授は首を傾げた。

「悪いが研究生活で金が無くてね」

誰が借金を頼むか。第一学生が教授に金策を工面するはずがなかろう。

「いえ、そうではなくて。講義の内容について質問したいのですが」
「ああ、そういう事」

なんだ、といった顔をする。
なんだろう。飄々としてとらえどころがない人だ。
俺も学者とかになったら、こんな他人を気にしない人物に成るのだろうか。

「まあ、立ち話もなんだし、座りながらでも聞きますか。喉も乾きましたしね」

むかった先は、大学の食堂。
俺と教授は、少し早目のランチを取ることにしたのだった。

236 : ◆69qW4CN98k :2011/05/22(日) 00:18:35.90 ID:s3f+/zTl.net
教授が食事を平らげるのを待って、俺は尋ねた。

「実はですね。俺の友人が妖怪を見たと言ってるんです」
「へえ」

妖怪を見た。
こんな事を言われたら人によってはからかわれていると思うかもしれない。
が、さすが研究者だ。教授は真っ直ぐと俺を見つめている。
その目には好奇の色が浮かんでいる。

「それで?」
「友人には見えますし触れます、しかし他の人には見えません」
「その友人だけ、という事かな」
「いえ、友人以外にも見える人はいるそうです」

友人というのは、もちろん自分の事だ。
さすがに、いきなり自分ですと告白するのは敷居が高い。

「ふむ。私だったらまず精神科に受診することを薦めるね」

模範解答。まあ俺もそう返すだろうな。

「しかし、教授は妖怪は居ると唱えていますが……」
「うん、確かにいった。だが私の提唱するのは妖怪は心の中に居るという事。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、という言葉がある。人間は理性を働かせる生き物だ。
わからない、などという不安材料は出来るだけ無くしたいのだよ」
「しかし友人は確かに見た、と言ってます」

ちらりと横を見る。
縊れ鬼が俺の横にいる。触れるし声をかければ反応するだろう。

「それが全て、見間違いだというのですか?」
「こんな話がある」

ウォルター・スコットという人物がいた。
彼は小説家として名高いが悪魔や魔術に関する書簡も出していた。
そして彼が集めた説話の中にこういう事例があるそうだ。

河川から湖畔へと続く場所で奇怪な現象が起こった。
昼過ぎになると、たびたび帽子や銃や剣が雨のごとく降り注いだ。
さらには川沿いの空中を数団の武装兵が行進したり、互いに戦った。
それが消えると、また別の兵団が現れた。
人々はこれを見ようと大勢集まったが、その三分の二は目撃し、残りには見えなかった。
目撃者たちは銃砲や剣の種類を克明に覚えていたそうである。

「興味深い話ですね」
「また、こんな話がある」

ある医者が患者を往診しにいった。
患者には病の兆候は見られず、健康体だった。
しかし彼は食欲を失い衰弱し、寝室に引き籠るようになった。
医者の説得に彼は答えた。

――先生、私は想像の病にかかっているのです

最初、それは猫の姿をとっていたのだという。
ところが、それはやがて恐ろしい物へと変貌していったのだ。

――死のイメージ……骸骨です

237 : ◆69qW4CN98k :2011/05/22(日) 00:21:27.01 ID:s3f+/zTl.net
骸骨は彼が、一人のときも、誰かとあってる時も片時も離れず、じっと立っているのだという。

――ソレは今も居るのですか
―――はいそうです
――カーテンの隙間に、います

医者はカーテンの近くに立って尋ねた。

――まだ見えていますか
―――完全には見えません、しかし骸骨の頭だけは見えています

医者はその後色々な検査を行ったが、患者はやがて衰弱して死んでしまった。

「前者は集団ヒステリー、後者は神経異常による幻覚と思われる」
「はっきりと見えて……他の人も見えているのにですか?」
「ふむ」

教授がコーヒーにひとつ口をつける。
俺もつられる様に飲み物に手を伸ばした。
教授の話は興味深い。……いや、不安になるのだ。
とくに骸骨の話は他人事ではない。
四六時中佇んでいるという状況は俺にそっくりだ。
あらためて縊れ鬼を見る。少女の姿、それが側にいる。
俺は病気なのだろうか? 幻覚を見ているのだろうか?
いつのまに神経に異常をきたしているのだろうか?

「私は学者だ、自分にとって有利な説も疑ってかかる」
「……と、いいますと?」
「妖怪は居ると説をあげたらね、まずは居ることの証明をしなければならない」

教授は自嘲気味に笑った。

「長年研究を続けたが、証拠のほとんどは見間違い、思い込みさ。
中には疑わしいものがあるが……眉唾だねぇ」
「友人の件も、ですか?」
「精神に変調をきたし、幻覚幻聴を見る症例は報告されている。そしてそれを抑えることもね」

教授は空いた食器を片づけ始めた。
どうやら切り上げる気らしい。

「それが妖怪だと決めつけずにまずは友人の話相手になってあげなさい。それからカウンセリングも。
そういうのを一つ一つ潰して、なおソレを見るようなら」

よっこいしょと、席を立つ。
そして、俺を見て微笑んだ。

「それが『妖怪』なのだろう……その時はまあ、私のもとへきなさい。喜んで話を聞くよ」

238 : ◆69qW4CN98k :2011/05/22(日) 00:24:55.51 ID:s3f+/zTl.net
バイバイ、と手を振って教授は去っていった。
その場に俺が残される。
ぐるぐると、ぐるぐると不安が駆け巡る。
俺は病気だったのか?
たしかに親元を離れて慣れない一人暮らしだ。
自分では自覚していないが、いらんストレスを抱えているのかもしれない。
俺は縊れ鬼を見た。ここに居る。
手を伸ばして頬を撫でる。
人の肌の触感、そして指にかかる髪の触感。
これが全て、俺の思い込みなのだろうか?
思い込みだから、他の人には見えないのだろうか。

「……なあ、お前はいったい何なんだ?」

ぽつりと呟く、ぽつりと声が聞こえた。

「鬼よ、縊れ鬼」

確かに声が聞こえる。これも幻聴?
骸骨の話のように、俺はこのまま死んでしまうのか?
ぐるぐると思考が駆け巡る。
ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐると駆け巡り、だんだん腹が立ってきた。

「なんでだよ!」

けたたましい音でテーブルを叩くと、食堂に居る人間が何事かと俺の方を見る。
きっと変人扱いだ。ああそうだよ、変人だよ。
可愛い女の子の幻覚を見ている変態さんだよ。
だがな、俺は死ぬ気はない。こうやって食欲もある。
引き籠って衰弱なんてするもんか。ちょっと前までは引き籠ってたけどな!
とりあえず、冷水を飲んで落ち着くことにした。

……ふう。
落ち着いて、改めて考えると疑問が湧く。
幻覚の一種だというが、はたして本当にそうなのだろうか。
仮にこれが幻覚だとしても、だ。

―――あの人、死ぬわ

人を殺す幻覚なんて存在するわけがない。
つまり俺は幻覚では死なないという事だ、多分。
仮にコイツがまだ証明されていないUMAのお友達だったとしても、だ。

(俺はこうして生きているし、死ぬつもりもない)

そういたら学会に珍しい事例を報告できるってものだ。
そうすれば一躍時の人だ、俺の未来は明るい。
なんだか心のモヤモヤが晴れてきたような気がする。
そうだよな、あれこれ悩むのは俺らしくない。
さっきまで悩んでいたが、腹が膨れてきたらどうでも良くなってきた。
俺、なんだかワクワクしてきたぞ。
縊れ鬼の頭をワシャワシャと撫でてやった。

「……なんのつもり」
「別に。これからもよろしくな」

さて、当座の問題は置いといて、せっかく大学にきたんだ。
サークルにも顔を出すことにしようか。
そう思い直し、俺も食堂を出ることにした。

239 :創る名無しに見る名無し:2011/05/22(日) 00:30:35.23 ID:s3f+/zTl.net
投下終了

その二人の御方の靴の紐を解く価値もない男ですが、ご期待にそえるように頑張ります




240 :メス豚:2011/05/28(土) 22:49:29.39 ID:OgbAHK8+.net
ある意味では死がテーマになっていると思います
読みやすく書いたつもりなので、読んでください!

http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1284090735/l50

241 :創る名無しに見る名無し:2011/06/20(月) 20:49:14.97 ID:7Ulaeao1.net
主人公が後の妻とのセックスの最中に主人公の両親が祖父の妾に殺害されて
主人公の父親の少年時代からの壮絶な人生が回想されて
やがて主人公の息子が生まれるも祖父の妾に主人公はおろか全人類の人生が目茶苦茶にされて
そんな中でも主人公の息子に息子がうまれ
しかしながら主人公は妻とともに両親のように祖父の妾に殺されて息子が主人公になり・・・

242 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 10:58:53.86 ID:wpQaMJ1S.net
もう僕は死んでしまうと思う。多分もうだめだね。
正直なんで自分が死ぬか分からない。というよりも分かりたくはない。
自分の死を認めるみたいで分かりたくない。
自分の死を受け入れたくはないのはみんな同じでしょ。
受け入れたくないと言うよりは、実感が湧かないのかも知れないのかもね。
いきなり医者に「貴方は余命一ヵ月」って言われて「はいはい」なんて言える分けないじゃん。
病名は癌だって。この17年間の人生が癌で消されるみたいで嫌だ。
最近は症状も酷い。食べ物も喉に通らないし、気分も悪い。もう宣告から三週間経過した。
後一週間で死ぬ。怖くないし悔いも人生に対する未練もない。
なんかいきなり真面目な口調になってしまったね。僕らしくない。
みんな、いつもより優しく接してくれた。僕は嬉しかった。楽しかった。
この時間がずっと続いて欲しいと神サマに願ったこともある。けど、ルールは守らないとね。
けど死にたくないなぁ〜。もう少し生きたい気持ちもどこかにある。
あーもう!またネガティブになっちゃった。
みんな、ありがとうね。こんなバカでも優しくしてくれて。

癌患者少年Kの遺書より一部引用

243 :創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 12:57:41.39 ID:wQ1YJdaf.net
 もう、後には退けない。
 男は心の中で呟き、鬱屈した怨執で双眸をぎらつかせ、マリファナ葉巻に火を点けた。
 親兄弟。孤児院の皆。そして、ただ一人愛した人・・・自分には、失ったものが余りに多すぎる。
 ――全部、「奴ら」に奪われた。
 辺りに漂うフレッシュな生き血の匂いを嗅いで、男は獣のような息遣いで恍惚を覚える。
 鉄の塊のような、旧式のバトルライフルを携えて、動かなくなった屍の背中を踏みにじった。
 そうしてマリファナの紫煙を吐きながら、30口径のライフル弾を連射して、屍の頭を吹き飛ばす。
 頭蓋骨が砕け散り、脳髄が溢れる様を見ると、男は言い様のない幸福感に包まれた。
 罪と罰なら甘んじて背負おう。
 ここから先はもう、正義も法も関係はない。
 俺を殺すまで、誰にも俺は止められない。
 男は、福音を伴って空から天使が舞い降りるのを見た。司祭のようなローブとストールを纏い、胸元には小さな聖書を抱えた、長い銀髪の美しい乙女。
 それを見る、彼のズボンのファスナーは、今にもはち切れんばかりに膨れ上がっている。
「汝が憎み恨む者全てを殺すがいい。但し、汝の魂は地獄の深淵に堕ちたまま、永遠に救われることはないだろう。地獄の釜の炎で骨の髄まで焼かれ、数千年先までお前は呪われ続けることだろう」
 透き通った乙女の声で、天使は厳かにそう言うのだった。
「俺は・・・罪を犯すことを恐れない!」
 片手にマリファナを燻らせながら、幻覚を見上げた男は、酷く興奮した声色で、天使にそう叫ぶ。
「では行くがいい、神の御意に逆らいし者よ。汝の罪が数千年先まで呪われ、永遠に償われることなきよう。汝が深い闇の底でもがき苦しむよう」
 そう言い残して、天使は男の唇にそっと口付けると、無数の光の粒となり、閃光と共に霧散した。
 ――男は、興奮の余り下着に射精していた。
 視界の先には、彼が手にかけた屍が海のように広がっている。
 男は不敵に笑うと、最後にマリファナを深く吸い込んで、吸い殻を指で弾いて捨てた。
 生きてここを出るつもりはない。
 だが、全てを殺戮し、「奴ら」をこの世から殲滅し尽くすまでは、死ぬつもりもない。
「さあ・・・どいつもこいつも皆、俺を恐れろ。調教の時間だぜ、クズども!」
 ライフルのマガジンを交換し、金属音と共にコッキングボルトを往復させると、男は叫んだ。
 その瞳は、生と死の狭間に生きる野良犬のように、ぎらついた輝きを放っていた。

244 :創る名無しに見る名無し:2011/08/02(火) 16:56:13.81 ID:Fhw1uP3e.net
博士「フッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ……。」

245 :創る名無しに見る名無し:2011/10/04(火) 22:34:00.40 ID:MxXyLUyM.net
 灯りも人通りも絶えた盛り場の裏通りだった。


「松風義烏之丞だな!神妙にいたせ!」
 三人の御家人風の男たちは、義烏之丞に一間を開けて、ゆくてを塞いでいた。
 三者とも大刀を抜き、正眼に構えている。
 義烏之丞は懐手で首の垢をつまんでは地面にぽろぽろと落としていた。

「抜けい!松風!」
 右の浪人が焦れたように吠えた。
「俺に何用か、怒鳴ってくれても良いのではないかな」
 義烏之丞は、垢を掻き掻き応ずる。
「我等の剣が、弱者を甚振るのみか、己が身で知るが良い!」
 左の男がつばきを飛ばした。
「では、うぬらは俺を上と認めて、多勢でかかってきているのだなあ」
 義烏之丞は口元を大きくほころばせ、ひとりごちるように言った。
「貴様ごときw少し游んでやろうというのよ」
 真ん中の男が言った。今にも吹き出しそうである。

「俺は、お点前方とはちごうて、弱い。抜けば游んではいられぬぞ」
「口ばかりの居酒屋攘夷が!」
 左の男が振りかぶり一歩踏み込んだ。
 義烏之丞も、踏み出した左踵を軸に体を左に回しつつ、腰の大刀を横へ払うように引きぬく。
 義烏之丞の体が一回転し終えた時、刀は鞘へ戻っていた。
 左の男は、刀を振り上げ、踏み込みかけた姿勢のまま、つんのめるように倒れる。
 地に伏せた男の体の下から、どす黒い血溜りが拡がった。
「居酒屋がぁー!」
 真ん中の男は正眼から踏み込み、突きに転じた。
 対し義烏之丞は右足を踏み出して身を屈め、大刀で正面を凪ぐ。
 突いてきた男は、振りかぶった男と同じ最期を迎えた。
 血の匂いが、濃くなった。

「きっ……貴様!貴様等の攘夷が何を生むか!」
 残った右の男は正眼の刀を震わせながら、裏返った声で叫んだ。
 袴の股間のあたりの紺が濃くなってい、拡がっている。
 義烏之丞は、突きに来た男の袴で刀を拭い、刀身を鞘に戻した。
 今や全身を震わせる右の男に向いて言う。
「開国ならば、すべての諸外国と向かえ合えねばなるまい。お主らのように、特に定めた国のみに
へつらうのでは、それは、開国とは言わぬ」
「……い、居酒屋ごときが、聞いたふうな……」
「俺たちは歪んでいるやもしれぬが、そういった芯がある。お前らは、それが目障りというだけだ
それでは、俺たちには、いや、俺にすらも勝てぬ」

「居酒屋攘夷風情が何を偉そうに」
「民と時代は開国に傾いていることもわからぬ愚か者が」
「未だに謙朝とは哀れな……」
 辻々より、六名の人影が、口くちに嘲りの言葉と共に現れた。

 義烏之丞は腰を落とし、大刀の柄に手を置く。
 口元に、微笑が大きく拡がっていた。


『義烏之丞魔道之道行』第一章「通り渡り」より

246 :創る名無しに見る名無し:2012/01/10(火) 07:11:01.45 ID:T10haLH4.net


247 :創る名無しに見る名無し:2012/03/30(金) 18:21:33.07 ID:WzCU9cSW.net


248 :創る名無しに見る名無し:2012/04/04(水) 00:39:16.81 ID:3zauZR0h.net
>>245
古典かw

249 :創る名無しに見る名無し:2012/06/18(月) 14:41:41.70 ID:gPUUVDYC.net

 /\     /⌒\
/  /\  / /'⌒'ヽ  
| /   \( (● ,,●)
ヽ |     \  ヽ冊<   
 ヽ|   /  彡   ⌒ヽ
      |γ|::| \   ヽ
     イ  |::|   ミ7 ̄ |
     ハ._V   |:|\ |
     |       V__ノ\
     N      i. и
      VN. i |、ヘV
        W/V

250 :創る名無しに見る名無し:2012/07/14(土) 01:15:35.13 ID:ltbQqOid.net
のぞきにやって来たが、誰もいない…

251 :創る名無しに見る名無し:2012/07/14(土) 12:45:30.36 ID:n7f5Ulf+.net
>>250
一応、居るには居るぜ
基本的にROMだがね

252 :創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:16:22.70 ID:TgE3Zv+5.net
過去 壱

おねえちゃんがジンチュウ様に選ばれた。

とと様もかか様もばば様もみんな喜んでるけど

わたしはかなしい。

だっておねえちゃん死んじゃうから。

おねえちゃんきれいでやさしいおねえちゃん

みんなジンチュウ様に選ばれた娘は幸せだって。

あの世で神様におつかえできるからって。



253 :創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:25:53.85 ID:TgE3Zv+5.net
過去 弐

おねえちゃんがジンチュウ様になる前の日

あきちゃん、あきちゃん、ちょっとここにいらっしゃいってわたしを呼ぶの。

おねえちゃんはこれから神様のところにいくからね。

あきちゃん哀しまないでね。

神様におつかえできるのはとてもめいよな事なのよ。

だからあきちゃん泣かないで。

おねえちゃんも神様の元で幸せになるから。

あきちゃんもこっちで幸せになって。

っていうとわたしにくしをくれた。

おねえちゃんが大事にしてた黒いくし。



254 :創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:37:27.93 ID:TgE3Zv+5.net
過去 参

だめだよ、もらえない。
だっておねえちゃんすごく大事にしてたくし。お祭りの日も、お参りの日もこのくしで髪をとかしてた。

おねえちゃんも泣いている。

あきちゃんこまらせないで。
あきちゃんが哀しんだらおねえちゃんも悲しくなってくるの。

だからあきちゃんそのくし、わたしだとおもって大事にしてね。

おねえちゃんがジンチュウ様になる日。
お化粧したおねえちゃんすごくきれいだった。

おでこに十字のおまじないをかけられて。

それじゃあ、あきちゃん元気でね。

そういって宮司様に連れていかれた。

おねえちゃん大好きだった、おねえちゃん。

くし、すごく、すごく大事にするからね。









255 :創る名無しに見る名無し:2012/08/13(月) 13:39:17.77 ID:TgE3Zv+5.net
さげ忘れ、失敬。

256 :創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 19:28:08.62 ID:BE85XkPm.net
解析された林勝広のメール


なあ、保、俺達友達だよな。明日は三枚でいいよ。
昨日パチンコですっちまって、ピンチなんだよ。


257 :創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 19:34:45.69 ID:BE85XkPm.net
解析された林勝広のメール#2
おい!!なんで昨日来なかったんだよ!!
金が必要なんだよ!!

おまえはいいよな、就職できて、俺は先月バイト首になってピンチなんだよ!!

いいか、三年前を思いだせ。俺達が何をしたか..あの小野寺って親父を四人で....
今日、あそこで待ってるから。
ちゃんと三枚持って来いよ!!
絶対だからな!!

258 :創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 19:38:28.50 ID:BE85XkPm.net
解析された林勝広のメール#3

この間はありがとう。
パチンコで六枚に増えました。

ところで白木死んだんだって?
あいつロクな死に方しないって思ってたが、やっぱりそうなったな!!


259 :創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 19:44:32.09 ID:BE85XkPm.net
解析された林勝広のメール#4

...なあ、保...
最近俺、疲れるんだ...見られているんだ、あいつに...
誰か解るだろ?あの親父さ...俺達が...


明日二枚持って来てくれ。
俺があの免許証と財布を持って警察行けば、お前もどうなるか解ってるだろ?

今日はもう疲れた。
じゃあ明日。

260 :創る名無しに見る名無し:2012/08/14(火) 19:47:58.92 ID:BE85XkPm.net
解析された林勝広のメール#5

保!!助けてくれ!!今部屋にあいつがいる!!
押し入れの中に隠れてる!!
だめだ....

もう見つかっ....




......うみ......................

261 :創る名無しに見る名無し:2013/04/21(日) 11:10:41.04 ID:WsbtKPC7.net
八巻正治教育学博士は【好きな人のパンティ】を被ると変態仮面となり、父譲りの慎重さと母譲りのスタイリッシュを武器に悪者を懲らしめ、ピンチの際は仮面姿+キャミソールを身に付ける事で究極の変態パワーを解放するのだ!!

262 :創る名無しに見る名無し:2014/01/22(水) 14:11:24.92 ID:r55ZESTV.net
 

263 :435201:2015/09/24(木) 06:03:16.40 ID:froNlSAL.net
犬は孟然と共に日々を送り務めを果たしていたが、やがて主人より先にその命を
落とす時がやって来た。
彭陵候が延文王に叛旗をひるがえし、黄河下流と徐湖に面する諸城を占領した
東徐の乱が起きたのである。
緒戦は舟を用いた水上での戦さとなり、数に劣る北周軍は苦戦を強いられた。
北周の戦舟は陣形を失って崩れたつうち次々と沈んでいき、孟然が乗り込んで
指揮する一隻も敵の苛烈な攻撃にさらされて浸水が始まった。
矢が雨のように降り注ぐ中 孟然も犬も身に数条の傷を負いながらお互いを
かばいつつ戦うが、敵の優勢をくつがえすことがどうしてもできない。
やがて犬の悲痛な一声に耳を打たれた孟然が振り返ると、片は一本の矢に首の
中心を貫かれて、もはや起き上がる事もかなわない姿に成り果てていた。
孟然は愛犬の血だまりにひざまづいたまま天を仰いで嘆き、失われた多くの
仲間と、最後のその時まで自分に付き従った片の復讐を誓って乱戦を落ち延びた。


孟然は岸にたどり着くと敗走する自軍の残兵を自分の元にまとめたが、その数は
百人にも満たない。集まった者たちは口々に、ひとまず戴了を目指し本軍と合流
するべきだと言い騒いで逃げ腰になる意見が多かったが、孟然だけは
「 これは準備なく起きたにわかな叛乱であり、賊は指揮を下す将を欠いたまま
大勢だけを頼んでいる。叛主に心服する兵は少なく、彭陵候一人を討てば敵は
四散するに違いない 」と叱咤して奇襲を主張した。それに同調して踏みとどまろうと
決めた者はわずか四、五十人であり、他は戴了へと逃げた。

孟然は上陸した敵が伸びきって行軍するのを見越して曄山の隘路で待ち受け、
不意を突いて彭陵候の軍勢に挑みかかったが、あまりにも味方の数が少ない。
彭陵候はあざけって、自身の在る中軍を後方に動かす手配りを怠ったままで
孟然たちを迎え撃とうとした。
前進する孟然一行はあっという間に敵の取り囲むところとなって容赦なく弓矢
を浴びせ掛けられたが、その時不可思議な事が起こった。

虚空に、聞く者を総毛立たせる犬の唸り声が突如湧き起こって孟然の周りを巻くように
鳴り響いたかと思う間に、飛び来る矢がことごとく空中で割れ砕けてぽとぽとと
力無く地へと落ち始めたのである。
見えない力の幕は他の北周兵にも及んで、敵があっけに取られる中を孟然たちは
一人も傷付くこと無しに彭陵候の前面へと肉薄していく。
その間にも唸り声は北周兵の側だけでなく戦場と空の全体に満ちて、はるか遠くから
こだまの届くが如くに感じ取れる一方で、各人の耳のすぐ後ろから聞こえても来る。
そのため彭陵兵の一人ひとりが、自分だけが真っ先に不気味な声に狙われたと
錯覚して怪異にひるみ始めた。

「 片の霊魂が邪魔する者を取り殺すぞ 」 一人の北周兵が叫ぶと、それをきっかけに
彭陵の者どもはさらに怖れて包囲を弱め、中にはこらえきれず耳をふさいで逃げ出す
兵まで現われた。賊は勇将孟然と常にその側にある片の話を聞き知っていたので、
孟然の矢だけでなく死した犬の祟りからも身を避けようとしたのである。
孟然はまばらになった敵陣の兵列越しに、強弓をもって彭陵候を射た。
矢は候の鎧を貫いて脇腹を深く傷つけ、自領へと退却した彭陵候はやがてその傷が
もとで死んだ。

264 :435201:2015/09/24(木) 14:02:11.05 ID:froNlSAL.net
幽霊となった飼い犬の加護を得て叛乱を鎮圧したというので、孟然と片の活躍は
戴了で大きな評判となった。 孟然は王宮から召喚を受け、延文王直々の沙汰によって
特別な昇位を果たして奮遠将軍の貴職を授けられることが決まった。
延文王は数ある趣味の中でも特に狩猟と弓を愛し、また無類の犬好きでも
あったので、孟然の勇敢さと秀れた弓術だけでなく、片がその死後も己れの主人を
守り続けたという話のくだりを大そう気に入ったのである。

孟然は栄進し、王都戴了で大きな屋敷を構えて軍務に励む毎日を送ることとなった。

ある日、はるか西域から北周を訪れていた異国のまじない士が孟然の屋敷の門前で
足を止め、 「 ここには悪い霊気が漂っておる。なぜであろう 」 と不思議そうに
幾度もつぶやいた。 不審に思った家人が孟然に取り次ぐと、孟然の姿を見るやいなや
まじない士は告げた。
「 わかった。 霊気は将軍の周りに凝っている。 急ぎ払い去るがよろしかろう 」

孟然は笑って打ち消した。 「 客よ、それは私の犬なのだ。 片と名付け飼っていた犬が、
忠なる心で今もこの世に残っている。 私はその魂の働きによって命を救われた。
悪い霊のはずがあろうか 」
まじない士は重々しく首を振った。
「 違う。 死せる者がこの世に留まろうと欲することは、命の理 ( ことわり ) を踏み外す
ものである。 将軍よ、あなたの犬はすでに十分あなたに尽くした。 命を投げ出すまで
尽くした。 死したる後もなお天理へと収まらず、天に帰するを拒む魂は
現世にあり続ける限り存在そのものが削られ続けて、最後には一切が消え果ててしまう。
あなたはあなたの犬が二度も死ぬことを望まれるのか 」

孟然はひどく腹を立てて、まじない士を追い出した。
まじない士は嘆息して 「 この犬は舟上で命を落とした。負うは溺禍の縁 ( えにし ) である。
再び水難に遭う時その魂はたちどころに弱まり、永遠に失われるであろう 」 と
寂しげに言い残し去って行った。

265 :435201:2015/09/24(木) 16:01:10.33 ID:froNlSAL.net
その後しばらくして、北辺の太守 陳緯が王室を軽んじて不穏な振舞いを見せたので
討伐することが決まり、孟然自身も一軍を率いて征旅に加わった。

陳緯は兵数が少ない事を悩みとしていたため、思い余って外境に威を張る異民族の
遂戎を手を結びその兵を招き入れたが、北周軍は礫原の野でその連合軍を大いに
破って陳緯を虜にした。 危機に陥った遂戎の単宇 ( 部族の長 ) 参址被は偽って
降伏の意と条件を伝え、使者を往復させて時をかせぎつつ少数の部下を迂回させて
礫河の堤を数里にわたって決壊させ、北周軍を水攻めにした。

北周兵は上・中軍もろともなす術もなく激しい水流に呑まれ、下流で待ち受ける
遂戎の者たちにその多くが捕らえられたり打ち殺されたりしてしまった。

孟然も濁流に翻弄されながら必死に戦ううち配下ともはぐれただ一人となっていたが、
体が泥水の渦に引き寄せられ沈みかけたその刹那、鎧の腰に巻いた戦帯が上からの
何かに支えられて冷たい水の中で浮き上がるのを覚えた。

片が来たのである。
「 片よ、私を救うか 」 孟然はにわかに力を得て喜んだが、すぐに表情を曇らせた。
風に漂う犬の息吹きにはかつてのような力強さや猛々しさがない。 流れに逆らって
孟然を水面に保とうとする見えない顎の力も、徐々に失われていくようであった。

戦帯と鎧越しに伝わってくる犬の苦しみと震えを察するうち、孟然は以前に屋敷を
訪れたまじない士の残した言葉を思い出し悟った。

これは水難が今まさに片の魂を蝕んでいるのであろう、と。

「 もう良い 」 犬と過ごした想い出が孟然の心にあふれた。
「 片よ、もう良い 」
孟然は穏やかに語りかけて、何もない宙に手を伸ばして決して触れることの
できない犬を撫でた。
「おまえはここに居てはならない。 すぐに私から離れよ。 ここを離れ、天へと
帰るがよい。 このまま流れの中にあるとおまえは消えてしまうぞ 」

その言葉に応えて、迷うような、あるいは別れを告げるような一筋の物悲しい遠吠えが
地から天へと向って伸び、やがて溶けるように静まった。

孟然の体はあっという間に泥でにごった奔流の中に沈み、気を失って下流の岸に
至るとそのまま遂戎の捕虜となった。

266 :435201:2015/09/24(木) 18:16:48.99 ID:froNlSAL.net
数年の時を経て、北周と遂戎の間に和議がととのって双方の捕虜が交換される
取り決めが定められた。
孟然もその中の一人として辺境の果てから都へと生きて帰ることがかなったが、
北周の法では異民族に捕らえられたことのある将軍は兵権を失ない、兵士の衣食を
世話するだけの無官の者として軍に留まるか、一介の平民へと身分が落とされる。

孟然は身辺を整理すると軍を退き、以後は市井で人々に弓を教えて暮らそうと考えて
帰郷を願い出た。

この時分、宮中の一高官に張公朔という待中の者があって、かつて孟然が将軍職に
あった頃に賄賂と不正を糾弾され恥をかいたことから強く憎んでいた。
当時の恨みを今こそ晴らしてやろうと目論んだ張公朔は延文王に孟然の無事を
隠したまま孟然を死罪人の表に書き加え、市中にて斬首するよう画策した。 敵の
虜囚となった科により死罪を言い渡される不名誉と曲解された法の不可解さに
孟然は内心疑いを持ったが、王威を振りかざして臨んで来る張公朔の配下と争えば
謀叛の罪まで加わってしまうため、抗う道はなかった。

人々の行き交う戴了の広場に曳き出された孟然がすべてを諦めて刑台の刃座へと首を
差し伸べようとしたその時である。

突如として、百雷の轟きにも匹敵する、怒りの念が音に変じた犬の咆哮が空から降り落ちて、
全天にこだました。

戴了の犬という犬もまた、その変事に感応して狂ったように吠えはじめた。
それは岩積みで組まれた衛門の大柱が震動し続けた末にその位置をずらすほどの
すさまじい音量であって、史書殿の竜額に用いられていた縁飾りの白玉細工に
ひびが入ったのはこの時のことであったとも伝わる。

首斬り役人たちはそれでも蛮勇を奮って孟然の首を打ち落とそうとしたが、自身の
握る大鉞が、犬の噛み跡そのままのへこみを幾重にも刻み込みながらメキメキと音を
立てて歪みねじれていくのを目のあたりにすると、皆たまらず逃げ散ってしまった。

267 :435201:2015/09/24(木) 20:33:22.48 ID:froNlSAL.net
混乱の中、何者かが人ごみのどこかで大声を発した。
「 罪無き者の首が断たれようとしているぞ 」
人々は孟然の評判を改めて思い起こしてざわめいた。
「 奸計奸計、これは小人の奸計なり 」 義憤を感じつつも手を出しかねて
刑を見守っていた民の中から孟然の人となりを良く知る数人が語らって出て、一人
刑台にたたずむ孟然の縛めを解いた。

孟然は急転した己の命運と耳を圧して吠え猛り続ける空のありさまにしばらく絶句
していたが、やがて息を整えると自分を助け出した人々に再拝した。
「 将軍、災難でございましたな 」
その声は最前の大声の主である。 見ると、それはかつて孟然の元を訪ねた西域のまじない士
であった。

孟然は犬の姿を求めるように空を視線を注いだまま、異国のまじない士へ語りかけた。
「 あなたは正しかった。 あの時の教えと言葉がなければ、私はきっと片の霊魂を
ただ便利な物であるとのみ考えて、ついにはそれが消え去るまでこき使い続けたに
違いない 」 孟然が自由の身になったことに満足したものか、空の声は潮が引くように
ゆっくりと小さくなっていく。 「 だがなぜ、私はまた救われることを得たのだろうか。
あの声は片のものだ。 すると、片は未だこの世をさまよっているのだろうか 」

「 あなたの犬は 」 まじない士は軽い仕草で上を示した。 「 すでに天へとその処を
定めておる。 きっと先ほどは、かつての主の難儀をうち払うため天帝に許しを乞うて
ひとときの間だけここに降りてきたのであろう。 あの声の遠さから察するに、もはや地を
離れて天に帰らんとしておるのではなかろうか 」
さらに何事かを尋ねようとする孟然を手で制して、まじない士は人ごみの中に身を没した。
「 わしも帰るとしよう 」
まじない士は二度と姿を見せなかった。


市中の大騒ぎは当然王宮にも達したので、事情を調べさせた延文王はすぐに
一部始終を知った。 孟然が存命しているとの報を得ると大いに喜び、張待中を
叱り飛ばして死罪を取り消すとともに、孟然を近衛部隊付きの弓術師範として
礼を尽くして迎えよとその場で厳命した。

孟然は王の望みを奉じてその後長く近衛の兵に弓術の奥義を惜しむことなく伝え、
すぐれた射手を多く育てたのでその徳と人柄を称えられて最後には公の位を得るに
至り、弘農に九百戸の封地をたまわった。

弘農から世に出て公となった孟姓の者は幾人かいるが、北周弘農の孟公といえば
この孟然を指す。


片は、その後も気が向くとしばしば孟然の元を訪れたようである。 というのも、
一頭だけで飼われている孟家の雌犬がいつの間にか右の牙だけが長い仔犬を
産み落としたり、孟然の弟子が放った矢が狙いを定めた的 ( まと ) の手前で
突然に折れたり跳ね返ったりする出来事があり、それを見た孟然が
「 ああ、片よ、いたずらをしに来たか 」 と笑いながら見えない犬を叱ることが
一度ならずあったからである。
戴了から洛陽へと都が戻って孟家の場所が移り変わっても犬の幽霊がもたらすそれらの
怪異は時おり思い出したかのように起きることがあったが、孟然が寿命を全うして
世を去るとぴたりと収まった。

戴了の町では今も片目の周りに白斑を持って産まれてくる犬を 「 片雪相 」 と呼んで
珍重している。


終わり

268 :創る名無しに見る名無し:2015/10/04(日) 03:04:43.09 ID:OnxjgY3/.net
※乱文&ボキャ貧な素人の小並感ですみません

>>263-267
 もともと乏しい集中力が年々低下する一方な上、中国の時代小説や歴史などの素養も無いもので
こういった昔の中国が舞台の小説は、どうも目が滑るというのか
なかなか内容が頭に入ってこないことが多いのですが、これは非常に読みやすかったです。
途中で嫌になることなく、むしろ続きが早く読みたくて最後まで一気に読めてしまいました。
 悲しい話は苦手なのですが、辛いだけで終わらず
悲しみを乗り越えてカタルシスを得られて良かったです。
普遍的な思いや、亡き者へのスタンスに胸を打たれました。
 構成や配分も良かったと思います。
ある程度の長さなのに長いと感じさせず
逆にこの短さなのに短いと感じさせず(冗長という意味ではなく)
そこにも素質・力量を感じました。

269 :435201:2015/10/05(月) 21:36:02.10 ID:Ly3AY4PB.net
>>268
もし楽しんでいただけたのであれば望外の喜びです。書いて良かった !

それと、読み返してみて気付いた打ち間違いがあったので訂正しておきます。

>>265 4行目
遂戎 「 と 」 手を結び…

>>267 12行目
… 空 「 に 」 視線を…

です。「てにをは」ミスの恥ずかしさよ。

>>265
単「 宇 」ではなく「 干 」です。浅学の恐ろしさよ。

270 :435201:2015/10/05(月) 22:43:09.99 ID:Ly3AY4PB.net
「査定するスレ」での書き込みにあったご質問ですが

・ 小説を書いたのは「孟公の犬」が初めてです。
・ 文章を書く仕事はしていません。ド派手な失敗をして「顛末書」を書いたことなら
あります。二回ほど。
・ 小説はわりと読むほうだと思います。ただ、より多く目を通すのはいわゆる「物語」
ではなく、ノンフィクションや専門書などです。
・ 特に好きだという作家はいません。自分はどうやら「作家主義」というより
「作品主義」のようです。 コナン・ドイル「失われた世界」、アラン・ムーアヘッド
「白ナイル」、トール・ヘイエルダール「コンティキ号航海記」、ダニエル・デフォー
「ロビンソン クルーソー」などを何度も読み返しました。
・ ネットの掲示板に小説を投下する事については特に気になりません。
今回小説に挑戦したそもそものきっかけがネットのレスでした。今まで自分は文章を
ほめられた経験がありませんでしたし、短編小説でも書いてほしいと求められたことも
ありません。それは予想もしていなかった非日常のオファーで、なんとなくですが海岸で
手紙の入ったビンを拾い上げるのに近い感覚でした。
…ちょっと返事を出してみたくなるでしょう ?
そうして生まれたのがこの作品です。

次を書くかどうかは未定ですが ( ハードボイルドでファンタジーという成層圏級の
ハードルが設定されました。しかもオプションで謎の女性が付いてきます )、仮に完成したなら
やはりここに連投することになると思います。

271 :創る名無しに見る名無し:2016/06/06(月) 01:06:53.94 ID:s8Y+aMGI.net
支援
というか
期待

272 :創る名無しに見る名無し:2016/10/27(木) 21:54:48.48 ID:rzP27P6cN
臨床心理学者のヘレン・ウォムバック博士が1978年に750名の

被験者に対して誕生以前にまで遡らせる年齢逆行催眠を行った結果、

81%が「特定の肉体を選択して生まれた」と語った。

この世に生まれて来るのを心待ちにしていたのは僅か26%だった。

87%が 現世の両親・恋人・親戚・友人らを前世 or 霊界において

既に知っていた  と語った。

273 :創る名無しに見る名無し:2016/10/27(木) 21:55:36.77 ID:rzP27P6cN
「前世を記憶する20人の子供」の著者 イアン・スチーブンソン博士は

 世界中の前世記憶を持つ子供達を二十数年にわたり調査。

 前世で妻を刺殺したというスリランカの少年は、自身の胸と右手の奇形を

「その報いである」と自ら語った。

 裏付調査により彼の前世なる人物が20数年前に妻を刺殺し死刑となった、

 その裁判記録が確認された。

274 :創る名無しに見る名無し:2016/11/14(月) 05:04:08.73 ID:0tfqvKJdF
無料誹謗中傷対策のブッダワークス
http://www.buddha-works.net

275 :創る名無しに見る名無し:2017/12/27(水) 11:55:59.58 ID:C1Z7QFDy.net
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

AK7H6JY8YW

276 :創る名無しに見る名無し:2018/05/21(月) 07:25:16.59 ID:tRZnwP6O.net
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

Y5648

277 :創る名無しに見る名無し:2018/07/03(火) 20:28:10.52 ID:f1dClnnX.net
JBN

278 :創る名無しに見る名無し:2018/10/17(水) 17:10:29.77 ID:ZU7x6aHX.net
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

NR2

279 :創る名無しに見る名無し:2020/08/03(月) 01:39:26 ID:GJ9Gwyiy.net
『最後の賭け』

今日の妻は、どのような服装をしていただろう。
そんな事が今この瞬間にわからないというのは、人生で一番悔しい事実だ。
これでは全身の姿が思い描けないのだから。
もし妻が、この自殺を目撃したならばどういった思いを抱き、そしてどういう行動に出ただろうか。
死にたい者はどうぞ死なせてあげましょう、なんて現代じゃ一般論と言っても過言ではないほどに、世間の人情は全体的に冷めている。
もしかすると、妻もその一人なのかもしれない。
自殺志願者を間一髪救ったところで、その者にとって死ぬよりも悪い未来が無いとは言い切れない。
だが良い未来が無いとも限らない。
人間とは常に、その博打で後者にすべてを賭けて、勝敗を見守る為に息をする生物ではなかろうか。
前者にはびた一文賭けていないのだから、いくら心配してみても、負けて儲けることは無いのだ。
人生の最後にはどうしても、妻の姿を鮮明に思い出したい。
「あなた、いってらっしゃい」
とっくに飲み干した挽きたての豆で淹れた珈琲の香る玄関先で見送ってくれた、濁りのないまっすぐな声、瞳。
その目は、僕の気持ちをとらえ、共感してくれるだろうか。
そして僕の行為を許してくれるだろうか。
左の耳に、軋みながら轟々とレールを鳴らす電車が迫ってくるのを感じて、そっと瞼を閉じる。
人生の最後に焼き付けた人の姿は、最愛の妻ではなく、今しがた、僕が反対側の線路へと突き飛ばした、自殺志願者の少年だった。

280 :創る名無しに見る名無し:2020/08/03(月) 02:42:30 ID:QQmTrhBL.net
>>279
糞スレあげんな百姓

281 :創る名無しに見る名無し:2020/08/03(月) 07:28:01.03 ID:GJ9Gwyiy.net
>>280
すまんかった
たまたま見たこのスレの最終投稿日時が随分古かったので
もしかしてもうすぐ落ちてしまうのでは無いかと、思わず書き込んでしまった。
あげ、とか、保守、というのをよく見かけるのだけど、やるのは初めてだったので
下げたら無意味なものかもしれないと考えてのことです。
おかしなことをして申し訳ない。

282 :創る名無しに見る名無し:2021/08/16(月) 08:01:01.52 ID:PdCUuhyT.net
「いや『お前も上げてんじゃねーかカワラモン』て言えやてネタと見たね」
とれんげは言った
「うちじゃここが一番低そうだか遅そうだかだね」
なずなは引っこ抜いたみちのくさの幹を指で回しながら言った。会話をする気はなかった。茎から伸びた三角の種袋(あれ実なの?)同士がぶつかっていた
「マルチバース。人は速く多く高いところへ」
たんぽぽはまだ拡がっている青空と入道雲を見上げた
「思ってたより新しいんだな……じゃ行こっか」
「えーまだはやくないれんげちゃん?」たんぽぽ
「ここのテーマは死。うしなうこととうしなわれること」
なずなは二人に言って、さびしげにやさしくほほえんだ。持った草の三角種袋?がぺちぺちと幽かなおとをたてた

283 :創る名無しに見る名無し:2022/05/19(木) 02:42:12.89 ID:7VLUlcRY.net
https://i.imgur.com/WnNgWmF.jpg
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https://i.imgur.com/LbUktaD.jpg
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