多能性幹細胞「Muse細胞」製剤、三菱ケミカルが開発中止を発表。発見した研究者や医師らは反発。なにか不可解なことになってる [545512288]

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ミューズ細胞製剤、三菱ケミカルが開発中止発表　細胞発見の研究者らは反発

2023年2月14日 14:33
2023年2月14日 19:49 更新

　三菱ケミカルグループは１４日、東北大を中心に研究が進む多能性幹細胞「Ｍｕｓｅ（ミューズ）細胞」を使い２０１５年から続けていた再生医療製剤の開発中止を発表した。「臨床開発状況や事業化までのタイムラインなどを総合的に検討した結果」と説明している。同細胞の再生医療での実用化が遠のく恐れがある。

実用化が遠のく恐れ

　同社によると、策定中の中期経営計画で各事業の構成を見直し、選択と集中を強化。今後の医薬品事業戦略なども踏まえ、ミューズ細胞製剤の開発を断念した。米国市場を見据えた医薬品事業に注力するのが狙いで「製剤の安全性や有効性に問題があって中止するのではない」と強調した。

　同社は１５年、ミューズ細胞を発見した出沢真理東北大大学院教授との間で同細胞を使った製剤開発の独占ライセンス契約を結んだ。今後、解約に向けて出沢教授と交渉する方針。

　ミューズ細胞製剤は１８年以降、心筋梗塞など７疾患の治験で使われてきた。このうち脳梗塞に関し、再生医療促進に向けて国が１４年に導入した早期承認制度で審査機関が承認申請の受け付けを認めなかったため、同社は２１年末に早期承認を諦め、通常の承認制度で申請する方針に切り替えた。

　これに伴い同社は「製剤の利益が出るのは３０年以降」と実用化の見通しを後退させた。関係者によると、同社は心筋梗塞についても２２年に「実際の製剤（実薬）と偽薬で統計的に意味のある差が出なかった」と、効果に懐疑的な治験報告書をまとめたとされる。

　出沢教授や心筋梗塞の治験の協力医らは１４日、東京都内で記者会見を開き、同社が治療効果を過小評価し「改悪的データを提示した疑義がある」と指摘した。

https://kahoku.news/articles/20230214khn000026.html